第108回 看護師国家試験 午前 問94 解説

状況設定成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。身長155cm、体重57kg。Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。医師から乳癌の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌と診断された。 確定診断のため、Aさんに行われた検査はどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 乳癌の確定診断は組織を採取して病理学的に診断する針生検(組織診)による。

乳癌は、まず視触診・マンモグラフィ・乳房超音波で疑わしい部位を見つけ、そこから組織を取って顕微鏡で調べる流れで診断する。 この組織を取る検査が針生検(コア針生検など)で、癌かどうかだけでなく組織型・悪性度・ホルモン受容体まで分かる。 Aさんが受けた確定診断のための検査はこれにあたる。

他の3つは、いずれも画像で「見つける」「広がりを測る」ための検査である。 MRIは病変の広がりや多発病巣を調べる。 PET-CT(陽電子断層撮影)は全身の遠隔転移を探す。 マンモグラフィは検診で腫瘤や微細石灰化を見つける。

癌かどうかを最終的に決めるのは組織診であり、これは胃癌・肺癌・大腸癌でも同じである。

  • 1

    MRI不正解

    MRIは病変の広がりや多発病巣の評価に有用な画像検査で、組織を採取しないため確定診断はできない。

  • 2

    針生検正解

    針生検は組織を採取して顕微鏡で調べる検査で、癌かどうかを最終的に決められる。

  • 3

    PET-CT不正解

    PET-CTは全身の遠隔転移の検索に用いる画像検査で、確定診断のための組織採取はできない。

  • 4

    マンモグラフィ不正解

    マンモグラフィは乳癌の検診・検出に有用な画像検査だが、それ自体で確定診断はできない。

📚 国試でよく狙われるところ

乳癌は、検査の名前と目的(見つける/広がりを測る/確定する)を入れ替えて問われる。 検査名と目的を対にしたうえで、検診の対象年齢と間隔、しこりのできやすい場所もあわせて確認しておこう。

  • 対策型の乳癌検診は40歳以上・2年に1回のマンモグラフィが基本
  • 乳癌の好発部位は外側上部で、乳房を4つに分けたときここに最も多い
乳癌にかかわる主な検査
検査目的
視触診腫瘤、皮膚の陥凹やえくぼ徴候、乳頭分泌、腋窩リンパ節の触知を確認する
マンモグラフィ腫瘤と微細石灰化の検出。対策型検診に用いられる
乳房超音波腫瘤の性状評価。若年者や高濃度乳房でも描出しやすい
穿刺吸引細胞診細い針で細胞を吸引する。簡便だが確定診断に至らないことがある
針生検(コア針生検、吸引式乳房組織生検)組織を採取して確定診断する。組織型・悪性度・ホルモン受容体・HER2も評価できる
CT・MRI・PET-CT・骨シンチグラフィ病変の広がりや遠隔転移の評価(病期診断)

参考: 日本乳癌学会『乳癌診療ガイドライン』/医療情報科学研究所編『病気がみえる』

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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