第108回 看護師国家試験 午前 問52 解説
📝 問題
Aさん(47歳、男性、会社員)は、痛風の既往があり、ほぼ毎日、飲酒を伴う外食をしている。1週前に尿管結石による疝痛発作があり、体外衝撃波結石破砕術〈ESWL〉を受けた。その結果、排出された結石は尿酸結石であることがわかった。 Aさんへの結石の再発予防に対する生活指導で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 尿酸結石の再発予防では、1日2L程度の水分摂取で尿を薄めることが基本である。
尿酸結石は尿が酸性・濃縮した状態で析出しやすい。 再発予防の基本は、1日2L程度の水分摂取で尿を薄め、尿量を確保することである。
他の3つは、いずれも尿酸を増やすか脱水を招く。 飲酒はプリン体の摂取と尿酸の産生を増やし、脱水も招くため制限が必要である。負荷の大きい運動も、脱水と尿酸の産生増加につながる。動物性蛋白質はプリン体が多く、むしろ控える。
プリン体とは
肉や魚の内臓、ビールなどに多く含まれる成分。体の中で分解されると尿酸になる。
- 1
「飲酒量に制限はありません」不正解
飲酒は尿酸産生と脱水を招き結石再発のリスクとなるため、制限なしは不適切である。
- 2
「負荷の大きい運動をしましょう」不正解
負荷の大きい運動は脱水や尿酸産生増加を招くため、再発予防の指導として不適切である。
- 3
「1日2L程度の水分摂取をしましょう」正解
1日2L程度の水分摂取は尿を希釈し結石の析出を防ぐため、尿酸結石の再発予防に適切である。
- 4
「動物性蛋白質を多く含む食品を摂取しましょう」不正解
動物性蛋白質(プリン体)の多い食品は尿酸を増やすため、控えるべきである。
📚 国試でよく狙われるところ
尿路結石は、成分ごとの成因と予防法を入れ替えて問われる。成分と予防法を対にして覚えよう。 どの成分でも共通するのは、十分な水分摂取で尿を薄めることである。
- 再発予防の基本は1日尿量2L以上を保つ水分摂取である。
- 尿酸結石では尿のアルカリ化(クエン酸製剤)とプリン体・アルコールの制限を行う。
- シュウ酸カルシウム結石ではシュウ酸(ホウレンソウ・紅茶・チョコレート)を控え、カルシウムは適量摂取する。
- 疝痛発作は側腹部から下腹部・大腿内側への放散痛と血尿が特徴で、鎮痛と補液を行う。
| 種類 | 成因・特徴 | 単純エックス線 |
|---|---|---|
| シュウ酸カルシウム結石 | 最も多い。尿中カルシウム・シュウ酸の増加 | 写る |
| リン酸カルシウム結石 | カルシウム結石に次いで多い | 写る |
| 尿酸結石 | 酸性尿、高尿酸血症・痛風で生じる | 写りにくい |
| リン酸マグネシウムアンモニウム(ストルバイト)結石 | 尿素分解菌による尿路感染で生じ、サンゴ状結石になりやすい | 写る |
| シスチン結石 | 先天性のシスチン尿症 | やや写る |
参考: 尿路結石症診療ガイドライン(再発予防・食事指導)/系統看護学講座 泌尿器疾患患者の看護
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について