第108回 看護師国家試験 午前 問27 解説
📝 問題
人工弁置換術の術後合併症で早期離床による予防効果が高いのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 早期離床による予防効果が高い術後合併症は肺炎である。
術後に長く寝たままでいると、無気肺・沈下性肺炎・深部静脈血栓症などが起こりやすくなる。 早期離床は換気を促して痰を出しやすくするので、無気肺や術後肺炎の予防に効果が高い。
他の3つは、離床では防げない性質の合併症である。反回神経麻痺は手術操作による神経の損傷、術後出血は止血にかかわる問題、縦隔炎は胸骨や創部の感染で起こる。
早期離床で防げるのは、動かないことが原因で起こる合併症である。
無気肺とは
痰などで気道がふさがり、その先の肺がふくらまなくなった状態。呼吸に使える面積が減る。
- 1
反回神経麻痺不正解
反回神経麻痺は手術操作による神経損傷が原因で、早期離床では予防できない。
- 2
術後出血不正解
術後出血は止血機能や手術手技に関わる合併症で、早期離床で予防するものではない。
- 3
縦隔炎不正解
縦隔炎は創部・胸骨の感染に関わる合併症で、早期離床による予防効果は高くない。
- 4
肺炎正解
早期離床は換気促進と喀痰排出を助け、無気肺・術後肺炎の予防に効果が高い。
📚 ここも一緒におさえておこう
術後合併症は、出現しやすい時期がおおよそ決まっている。 早期離床は、呼吸器合併症・深部静脈血栓症・腸管麻痺・廃用症候群の予防にはたらく。
- 深部静脈血栓症の予防には弾性ストッキング・間欠的空気圧迫法・早期離床・十分な水分摂取を行う。
- 初回離床時は肺血栓塞栓症のリスクが高く、突然の呼吸困難・胸痛・SpO2低下に注意する。
- 呼吸器合併症の予防には、術前からの禁煙と深呼吸・排痰練習が有効である。
| 時期 | 主な合併症 |
|---|---|
| ①術直後〜24時間 | 術後出血、循環不全、麻酔覚醒遅延、悪心・嘔吐、無気肺 |
| ②1〜3日 | 無気肺・術後肺炎、術後せん妄、吸収熱 |
| ③3〜5日 | 縫合不全、創部感染、腸閉塞(イレウス) |
| ④5日〜2週 | 深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症、離床遅延による廃用症候群 |
参考: 標準的な成人看護学・周手術期看護教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について