第108回 看護師国家試験 午前 問23 解説

⭐ 必修基礎看護学✔ 監修済み

📝 問題

感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法として適切なのは洗浄である。

感染していない傷は、乾かさず湿潤環境に保つほうが早く治る。滲出液にふくまれる成長因子が働いて、上皮化が進むためである。

そのために行うのが洗浄である。生理食塩水などで洗い流し、異物や壊死組織を取り除いて傷を清潔に保つ。

消毒薬は感染のない傷には使わない。乾燥とガーゼ保護は、どちらも傷の表面を乾かしやすく、治りを遅らせることがある。

上皮化とは

傷の表面が新しい皮膚の細胞でおおわれていくこと。これが進むと傷が閉じる。

  • 1

    乾燥不正解

    乾燥は上皮化を妨げ治癒を遅らせるため、湿潤環境を保つべきである。

  • 2

    消毒不正解

    消毒薬は新しくできた細胞も傷つけるため、感染のない創には使わない。

  • 3

    洗浄正解

    洗浄により異物や壊死組織を除去し清潔を保つことで、創傷治癒が促進される。

  • 4

    ガーゼ保護不正解

    ガーゼ保護は創を乾燥させやすく、湿潤環境の維持に適さない場合がある。

📚 丸暗記より仕組みで覚えよう

傷が治るのは、乾いたかさぶたの下ではなく、滲出液で湿った面の上である。「消毒して乾かす」ではなく「洗って湿らせる」と押さえておこう。 治りが遅くなる条件もあわせて問われる。

  • 消毒薬は細菌だけでなく線維芽細胞や新生上皮も傷害するため、感染のない創には用いない。
  • 創の洗浄には生理食塩水または水道水を十分な量で用いる。
  • 低栄養(特に蛋白質・亜鉛・ビタミンCの不足)、糖尿病、ステロイド薬の使用は治癒を遅らせる。
創傷治癒の過程
時期主な変化
①止血期(受傷直後)血小板の凝集とフィブリン形成による止血
②炎症期(〜3日ころ)好中球・マクロファージによる異物や壊死組織の除去、発赤・腫脹・熱感
③増殖期(3日〜2週ころ)線維芽細胞によるコラーゲン産生、毛細血管新生(肉芽形成)、上皮化
④成熟期(2週〜数か月以上)コラーゲンの再構築、瘢痕の成熟・退色

参考: 湿潤環境下療法(moist wound healing)に関する標準的な創傷ケア教科書

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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