第107回 看護師国家試験 午後 問78 解説
📝 問題
筋骨格系の加齢に伴う変化が発症の一因となるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 筋骨格系の加齢に伴う変化が発症の一因となるのは骨盤臓器脱である。
骨盤臓器脱は、加齢や出産などにより骨盤底筋群(筋・靱帯・筋膜)が脆弱化し、膀胱・子宮・直腸などの骨盤内臓器が腟壁とともに下垂する疾患である。骨盤底の支持組織という筋骨格系の加齢変化が発症の直接的な一因となる。 高齢女性に多く、排尿・排便障害や下垂感を生じる。
国試では、各疾患の主たる発症要因を器官系ごとに整理して考える。 肺結核(感染)、前立腺肥大症(前立腺の加齢性変化・ホルモン)、加齢黄斑変性(網膜・眼)、慢性閉塞性肺疾患(喫煙・気道)はいずれも筋骨格系の加齢変化が主因ではない。 骨盤底筋の脆弱化=筋骨格系の加齢変化という結びつきが判断のポイントである。
骨盤底筋群とは
膀胱・子宮・直腸を下から支える、ハンモックのような筋肉の集まり。ゆるむと骨盤内の臓器が下がる。
- 1
肺結核不正解
肺結核は結核菌の感染による疾患で、筋骨格系の加齢変化が発症の一因ではない。
- 2
骨盤臓器脱正解
骨盤臓器脱は骨盤底筋群の脆弱化(筋骨格系の加齢変化)が一因で生じる。
- 3
前立腺肥大症不正解
前立腺肥大症は前立腺自体の加齢性肥大・ホルモンが関与し、筋骨格系の変化が一因ではない。
- 4
加齢黄斑変性不正解
加齢黄斑変性は網膜黄斑部の変性による眼疾患で、筋骨格系の加齢変化が一因ではない。
- 5
慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉不正解
慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉は喫煙などによる気道・肺の慢性炎症が主因で、筋骨格系の加齢変化が一因ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
骨盤臓器脱は下垂する臓器によって呼び名が変わる。危険因子は加齢・経腟分娩・肥満と、慢性的な腹圧上昇(便秘、慢性咳嗽、重労働)である。
- 症状は下垂感・排尿困難・腹圧性尿失禁・残尿感など
- 軽症では骨盤底筋訓練、進行例ではペッサリーや手術を行う
- 重い物を持つ・強くいきむなど腹圧をかける動作を避けるよう生活指導する
| 名称 | 下垂する臓器 |
|---|---|
| 膀胱瘤 | 膀胱 |
| 子宮脱 | 子宮 |
| 直腸瘤 | 直腸 |
| 腟断端脱 | 子宮全摘後の腟断端 |
参考: 系統看護学講座 老年看護学/日本産科婦人科学会 資料
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について