第107回 看護師国家試験 午後 問48 解説
📝 問題
梅毒について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 梅毒血清反応の生物学的偽陽性の要因には、妊娠がある。
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌(スピロヘータ)による感染症で、主に性行為による接触でうつる。 第一選択の治療薬はペニシリン系抗菌薬である。 梅毒血清反応のうち、脂質を抗原に使う非トレポネーマ検査(STS:RPRなど)は、梅毒でなくても陽性になることがある。 これを生物学的偽陽性(BFP)といい、妊娠・膠原病・感染症・加齢などが要因になる。
他の選択肢は、病原体・感染経路・治療がいずれも違う。 病原体はウイルスではなく、細菌である。 空気感染はしない。 ステロイド外用薬は皮膚の炎症を抑える薬で、梅毒の治療には用いない。
スピロヘータとは
らせん状にねじれた形をもつ細菌のなかま。梅毒トレポネーマもこの一種である。
- 1
ウイルス感染症である。不正解
梅毒はウイルスではなく細菌(梅毒トレポネーマ)による感染症である。
- 2
感染経路は空気感染である。不正解
感染経路は空気感染ではなく、主に性行為などによる接触感染である。
- 3
治療の第一選択薬はステロイド外用薬である。不正解
治療の第一選択はペニシリン系抗菌薬であり、ステロイド外用薬ではない。
- 4
梅毒血清反応における生物学的偽陽性の要因に妊娠がある。正解
非トレポネーマ検査(STS)は、妊娠などで生物学的偽陽性を示すことがある。
📚 国試でよく狙われるところ
梅毒は報告数が増えており、病期ごとの症状と、2種類の血清反応の使い分けが問われる。検査・治療・届出までをひとまとまりにして覚えよう。
- 血清反応は、STS(RPRなど)とTP抗原検査(TPHA・FTA-ABS)を組み合わせて判定する
- STSは治療効果の判定に有用。TP抗体は治癒後も陽性が続く
- STSの生物学的偽陽性の要因:妊娠、膠原病(SLE・抗リン脂質抗体症候群)、肝疾患、各種感染症、加齢
- 治療はペニシリン。5類感染症(全数把握)で、診断後7日以内に届け出る
- 妊婦の梅毒は先天梅毒の原因となるため、妊婦健康診査で必ず検査する
| 病期 | 主な症状 |
|---|---|
| ①第1期(感染後約3週〜) | 初期硬結・硬性下疳(無痛)、無痛性の鼠径リンパ節腫脹 |
| ②第2期(約3か月〜) | 梅毒性バラ疹、丘疹性梅毒疹、扁平コンジローマ、脱毛、全身のリンパ節腫脹 |
| ③潜伏期 | 無症状だが血清反応は陽性 |
| ④晩期(第3期以降) | ゴム腫、心血管梅毒(大動脈瘤)、神経梅毒(進行麻痺・脊髄癆) |
参考: 厚生労働省 性感染症関連資料/感染症学 標準テキスト
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について