第107回 看護師国家試験 午後 問28 解説
📝 問題
呼吸不全について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ Hugh-Jones分類は、日常生活動作を基準に呼吸困難の程度を段階分けする指標である。
Hugh-Jones分類は、労作時の呼吸困難の程度をI〜Vの5段階で表す評価法である。 「同年齢の健常者と同様に歩ける」から「会話や着替えでも息切れし外出できない」まで、日常生活動作を基準に分類する。 呼吸不全は動脈血ガス(PaO2 60mmHg以下)を基準に定義され、PaCO2の値によりI型(正常〜低下)とII型(上昇)に分けられる。
国試では呼吸不全の定義と分類が頻出である。 「PaO2 60mmHg以下=呼吸不全」「PaCO2でI型・II型に分類」「Hugh-Jones=呼吸困難の程度」という対応を区別しておく。
- 1
喘息の重積発作によって慢性呼吸不全になる。不正解
喘息重積発作は急性呼吸不全を招くものである。
- 2
動脈血酸素分圧〈PaO2〉で2つの型に分類される。不正解
呼吸不全の型分類はPaCO2の値(正常〜低下か上昇か)で行われる。
- 3
動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉が60mmHg以下をいう。不正解
呼吸不全はPaO2が60mmHg以下と定義される。
- 4
Hugh-Jones〈ヒュー・ジョーンズ〉分類は呼吸困難の程度を表す。正解
Hugh-Jones分類は日常生活動作を基準に呼吸困難の程度を表す分類である。
📚 混同しやすいので注意
呼吸不全は動脈血ガスで定義し、Hugh-Jones分類は自覚的な呼吸困難の重症度を日常生活動作で表す。 両者は別の指標である。
- 呼吸不全=室内気吸入時のPaO2 60mmHg以下。1か月以上続くものを慢性呼吸不全という
- I型=PaCO2が正常または低下、II型=PaCO2が45mmHgを超えて上昇(換気不全)
- II型呼吸不全に高濃度酸素を投与するとCO2ナルコーシス(意識障害・自発呼吸の抑制)を起こす危険がある
- 呼吸困難の評価には修正MRC〈mMRC〉息切れスケールも用いられる
| 度 | 内容 |
|---|---|
| I度 | 同年齢の健常者と同様に労作ができ、歩行・階段昇降も健常者並みにできる |
| II度 | 平地では同年齢の健常者と同様に歩けるが、坂・階段は健常者並みにできない |
| III度 | 平地でも健常者並みには歩けないが、自分のペースなら1.6km以上歩ける |
| IV度 | 休みながらでなければ約50m以上歩けない |
| V度 | 会話や着替えでも息切れし、息切れのため外出できない |
参考: 医学書院『系統看護学講座』(呼吸不全・Hugh-Jones分類)
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について