第107回 看護師国家試験 午前 問74 解説

一般基礎看護学✔ 監修済み

📝 問題

創傷の治癒過程で炎症期に起こる現象はどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 炎症期には血管透過性の亢進により滲出液が創に溜まる。

創傷治癒は炎症期→増殖期(肉芽形成・上皮化)→成熟期(リモデリング)と進む。 受傷直後から数日続く炎症期では、血管透過性が亢進して滲出液が創部に出る。 同時に好中球やマクロファージが集まり、異物・細菌・壊死組織を取り除く。 「滲出液が創に溜まる」のは、この炎症期の現象である。

他の選択肢は、いずれも炎症期より後に起こる現象である。 線維芽細胞の活性化・肉芽形成・毛細血管新生は増殖期、創の収縮(縮小)や上皮化は増殖期以降、コラーゲンの再構築は成熟期に起こる。

血管透過性とは

血管の壁から水分やタンパク質がしみ出す通りやすさ。炎症で高まると、しみ出した液が滲出液としてたまる。

  • 1

    創傷周囲の線維芽細胞が活性化する。不正解

    線維芽細胞の活性化は肉芽をつくる増殖期の現象で、炎症期ではない。

  • 2

    肉芽の形成が促進される。不正解

    肉芽の形成は増殖期に促進される現象であり、炎症期の現象ではない。

  • 3

    滲出液が創に溜まる。正解

    炎症期は血管透過性の亢進により滲出液が創に溜まる。

  • 4

    創の収縮が起こる。不正解

    創の収縮は増殖期以降に起こる現象で、炎症期には起こらない。

  • 5

    上皮化が起こる。不正解

    上皮化は増殖期に進む現象で、炎症期の現象ではない。

📚 国試でよく狙われるところ

創傷治癒は、どの期に何が起こるかを入れ替えて問われる。炎症期=きれいにする、増殖期=埋める、成熟期=仕上げる、と役割で覚えよう。 創は乾燥させず湿潤環境を保つほうが上皮化が速い(moist wound healing)。感染がなければ消毒薬を連用せず、生理食塩水などによる洗浄を基本とする。

創傷治癒の過程
期時期の目安主な現象
①炎症期(血管反応期)受傷直後〜約3日止血、血管透過性亢進による滲出、好中球・マクロファージによる異物や壊死組織の貪食
②増殖期(肉芽形成期)約3日〜2週線維芽細胞の増殖とコラーゲン産生、毛細血管新生、肉芽形成、創の収縮、上皮化
③成熟期(リモデリング期)2週〜数か月以上コラーゲンの再構築、瘢痕の成熟と退色、抗張力の回復

参考: 医学書院「系統看護学講座 基礎看護技術」

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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