第107回 看護師国家試験 午前 問54 解説
📝 問題
性同一性障害(GID)/性別違和(GD)について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 性同一性障害(GID)/性別違和(GD)は、生物学的性と性の自己認識(性自認)とが一致しない状態である。
性同一性障害/性別違和は、身体的・生物学的な性と、自分がどの性であると認識するか(性自認)とが一致せず、それに伴う持続的な違和感や苦痛がある状態を指す。
他の選択肢は、出現の時期・治療・概念のいずれかが誤っている。自覚は幼少期から始まることが多い。ホルモン療法や性別適合手術は治療の選択肢となる。同一の性を恋愛の対象とするのは性的指向の話で、性自認の問題である性別違和とは区別される。
- 1
出現するのは成人期以降である。不正解
性別違和の自覚は幼少期から始まることが多く、成人期以降に限られるものではない。
- 2
ホルモン療法の対象にはならない。不正解
ホルモン療法は性別違和の治療の選択肢の一つで、本人の希望に応じて検討される。
- 3
生物学的性と性の自己認識とが一致しない。正解
生物学的性と性の自己認識(性自認)が一致せず、持続的な違和感や苦痛を伴う状態を指す。
- 4
生物学的性と同一の性への恋愛感情をもつことである。不正解
生物学的性と同一の性への恋愛感情は性的指向(同性愛)にあたり、性自認の不一致である性別違和とは別の概念である。
📚 混同しやすいので注意
性別違和は、性自認と性的指向を入れ替えて問われる。「自分が何の性か」と「誰を好きになるか」で分けたうえで、看護の配慮と支援の進め方、法制度までをひと組で覚えよう。 看護では、呼称・病室や更衣・トイレの配慮など、本人の意向を確認しながら対応する。知り得た情報を本人の同意なく他者に伝えない(アウティングをしない)ことが原則である。
- 性のとらえ方はからだの性(生物学的性)・こころの性(性自認)・好きになる性(性的指向)・表現する性(性表現)に分けて整理する。
- 性自認と性的指向は別の概念で、性別違和は性自認の、同性愛は性的指向の話題である。
- 対応は本人の希望に応じて精神的支援・ホルモン療法・性別適合手術が段階的に検討される。
- 性同一性障害特例法により、一定の要件のもとで戸籍上の性別の取扱いの変更が認められている。
参考: 系統看護学講座 精神看護学
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について