第107回 看護師国家試験 午前 問52 解説
📝 問題
胎生期から小児期の血清免疫グロブリン濃度の年齢による変動を図に示す。①が示しているのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 胎生期から小児期の血清免疫グロブリンの変動で、①が示すのはIgAである。
血清免疫グロブリンは、種類ごとに血中で増え始める時期が違う。 IgAは分泌の始まりが最も遅く、小児期にかけて緩やかに上昇して成人の値に達する。 図の①が示すのはこのIgAである。
他の選択肢は、増え始める時期や血清中の量が異なる。IgGは母体から胎盤を通って移行するため出生時に高値で、生後数か月でいったん低下したのち、児自身の産生で再び上昇する。IgMは胎盤を通過せず、出生後に比較的早く上昇する。IgDは血清中の濃度がごく微量である。
- 1
IgA正解
IgAは他のクラスより遅れて産生が始まり、成人と同じ値に達するのも最も遅い。①はこのIgAにあたる。
- 2
IgD不正解
IgDはB細胞の表面に存在し、血清中の濃度はごく微量である。①はIgAであり、IgDではない。
- 3
IgG不正解
IgGは唯一胎盤を通過する免疫グロブリンで、出生時に高く、生後数か月でいったん低下してから再び上昇する。①とは経過が異なる。
- 4
IgM不正解
IgMは胎盤を通過せず、児自身が出生後に産生するため比較的早く上昇する。①とは上昇の時期が異なる。
📚 国試でよく狙われるところ
免疫グロブリンは、種類ごとの働きと、それぞれが増える時期を入れ替えて問われる。胎盤を通るか通らないか、いつ上がるかを種類と対にして覚えよう。 母体由来のIgGは出生時に高いが生後3〜6か月ごろに最低となり、この時期は感染しやすい。その後は児自身の産生により上昇する。 新生児のIgMが高値の場合は、IgMが胎盤を通過しないことから胎内感染を疑う。
- 初乳には分泌型IgAが多く含まれ、新生児の腸管を感染から守る。
- IgAが成人と同じ値に達するのは、他のクラスより遅い。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| IgG | 血清中で最も多い。唯一胎盤を通過する。二次応答の主体 |
| IgA | 分泌型として唾液・涙・腸管粘膜・初乳に多く、粘膜免疫を担う |
| IgM | 分子量が最大(五量体)。感染初期(一次応答)に増える。胎盤を通過しない |
| IgD | B細胞の表面に存在。血清中はごく微量 |
| IgE | I型アレルギーや寄生虫感染に関与。肥満細胞・好塩基球に結合する |
参考: 系統看護学講座 小児看護学/免疫学
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について