第107回 看護師国家試験 午前 問13 解説
📝 問題
関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 関節や神経叢の周辺に限局する感覚障害の原因は物理的圧迫である。
感覚障害が特定の関節や神経叢の周辺に限局して起こる場合、その分布を支配する末梢神経が局所的に圧迫されていることが原因と考えられる。 物理的圧迫による末梢神経障害では、その神経の支配領域に一致した限局性の感覚障害が生じる。 神経叢の圧迫では、その叢が束ねる複数の神経の支配域に限局する。
国試では障害部位と感覚障害の分布パターンの対応が問われる。 脊髄障害は障害レベル以下の広範な障害、脳血管障害は片側性(半身)の障害、糖尿病性神経障害は手袋・靴下型の左右対称性障害を示す。 「限局性=末梢の局所圧迫」という分布の考え方を押さえると鑑別できる。
神経叢とは
脊髄から出た神経がいったん網の目のように集まり、組み替わってから手足へ向かう場所。首から腕へ向かう腕神経叢、腰から下肢へ向かう腰神経叢・仙骨神経叢がある。
- 1
脊髄障害不正解
脊髄障害では障害レベル以下に広範な感覚障害が生じ、限局性ではない。
- 2
物理的圧迫正解
物理的圧迫では、圧迫された神経が支配する範囲に感覚障害が出るため、関節や神経叢の周辺に限局する。
- 3
脳血管障害不正解
脳血管障害は片側半身の広範な感覚障害を生じ、関節周辺への限局は説明できない。
- 4
糖尿病の合併症不正解
糖尿病の合併症では手袋・靴下型の左右対称性感覚障害が特徴で、限局性ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
圧迫による代表的な末梢神経障害には、手根管症候群(正中神経・母指から環指橈側のしびれ)、肘部管症候群(尺骨神経)、橈骨神経麻痺(下垂手)、腓骨神経麻痺(下垂足)がある。 腓骨神経は腓骨頭の外側を皮下に走るため、側臥位や下肢の外旋位で圧迫されやすい。
- 長時間の同一体位、きついギプスや弾性包帯、駆血帯の長時間装着は医原性の圧迫性神経障害を招く。
- 予防には定期的な体位変換とポジショニングが重要で、しびれや脱力の訴えを早期に確認する。
| 障害部位 | 感覚障害の分布 |
|---|---|
| 単一末梢神経(圧迫・絞扼) | その神経の支配領域に限局 |
| 多発ニューロパチー(糖尿病・アルコール) | 手袋・靴下型の左右対称性 |
| 神経根 | デルマトーム(皮膚分節)に一致した帯状 |
| 脊髄横断障害 | 障害レベル以下の両側性 |
| 脳(内包・大脳皮質) | 障害と反対側の半身 |
参考: 疾病の成り立ち 末梢神経障害の分布
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について