第107回 看護師国家試験 午前 問114 解説
📝 問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(38歳、男性)。日本語学校の学生。胸痛で救急外来を受診し入院した。入院後2日、冠動脈造影(CAG)が実施された。冠動脈に有意な狭窄はなく、Aさんは急性心外膜炎と診断された。胸痛に対して消炎鎮痛薬が5日分処方された。処方された2日後、Aさんから「薬がなくなったので追加で処方して欲しい」と病棟看護師に依頼があった。 看護師の対応で優先されるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 追加処方を求めるAさんには、まず痛みの程度を確認することが優先される。
処方された5日分の鎮痛薬を2日で使い切って追加を求めており、その背景を確かめる必要がある。 まず現在の痛みの程度・部位・性状を確認すれば、症状が強くなっているのか、用法・用量を守れていないのかを見分けられる。 そのうえで、医師への相談や服薬の指導など次の対応を選べる。 看護過程の第一歩である情報収集が先に立つ。
看護の対応を問う問題では、情報収集が具体的な行動に先立つ。 痛みを評価しないまま増量を医師へ相談する根拠はなく、以前の薬の用量を尋ねることも、用法を守れていないと指摘することも、本人の状態を把握したあとでなければ判断できない。
- 1
Aさんの痛みの程度を確認する。正解
まず痛みの程度を確認して状態をアセスメントすることが、その後の適切な対応判断の前提となり優先される。
- 2
医師に鎮痛薬の増量を相談する。不正解
痛みの評価をせずに増量を医師へ相談するのは根拠に乏しく、まず情報収集を行うべきである。
- 3
Aさんが以前常用していた鎮痛薬の用量を確認する。不正解
以前常用していた薬の用量確認も情報の一つだが、まず現在の痛みの程度を把握することが先決である。
- 4
Aさんが指示された用法を守れていないことを指摘する。不正解
用法を守れていないと決めつけて指摘するのは不適切で、まず状態を確認したうえで丁寧に関わるべきである。
📚 ここも一緒におさえておこう
痛みの看護は評価から始まる。測り方・聴き方・訴えの背景の読み方に加え、疾患ごとの痛み方も一組にして覚えよう。
- 痛みの強さはNRS(0〜10の数値評価スケール)や視覚的アナログスケール(VAS)、フェイススケールで評価する
- 痛みの聴取はOPQRST(発症・増悪寛解因子・性状・放散・程度・時間経過)に沿って行う
- 痛みは主観的な体験であり、患者の訴えを基準に評価する
- 処方が予定より早くなくなった場合は、症状の増悪、用法の誤解、痛みへの不安など背景を確認し、医師に情報を提供する
- 急性心外膜炎の胸痛は前傾姿勢で軽減し、臥位や深吸気で強くなるのが特徴で、治療は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの消炎鎮痛薬が中心となる
参考: 医療情報科学研究所編『看護の統合と実践』/日本看護協会 看護実践の基準
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について