第106回 看護師国家試験 午後 問94 解説

状況設定老年看護学

📝 問題

次の文を読み94〜96の問いに答えよ。Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。 既往歴:5年前に大腿骨骨折。 現病歴:2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。 生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。 入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。 このときの看護で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 骨折で入院していることを繰り返し伝えるのが最も適切である。

Aさんには記憶障害があるが、失語も失認もないので、言葉で伝えれば内容は理解できる。「ここはどこですか」という問いは、慣れない場所に移されて見当識が揺らいでいるあらわれである。 そのつど、骨折で入院していることを落ち着いて伝えると、Aさんは今いる場所と理由を確かめられる。同じ質問でも初めて聞かれたように答えるのが基本である。

残る3つは、Aさんが困っていることに応えていない。 体幹の抑制は動きを制限する行為で、ほかに方法がないときの最終手段にあたる。 夜間の付き添いは、入院当日に仕事のある長男夫婦へ負担を移すことになる。 ナースステーションへのベッド移動は、音や人の出入りが増えて混乱を強める。

見当識とは

いまがいつで、ここがどこで、目の前の人が誰かが分かる感覚。認知症では時間から順に分からなくなることが多い。

  • 1

    体幹を抑制する。不正解

    身体拘束は切迫性・非代替性・一時性の3つがそろうときに限られる。同じ質問を繰り返すことは、その理由にならない。

  • 2

    家族に夜間の付き添いを依頼する。不正解

    付き添いは家族の生活を削る依頼になる。まず看護師が声をかけ、時計やカレンダーを置くなど環境を整えるところから始める。

  • 3

    ナースステーションにベッドを移動する。不正解

    ナースステーションは観察しやすい場所だが、Aさんには音も人の動きも多い見慣れない場所になる。混乱はかえって強まる。

  • 4

    骨折で入院していることを繰り返し伝える。正解

    記憶に残らなくても、そのつど場所と理由を伝えれば見当識を支えられる。失語がないので言葉での説明が届く。

📚 国試でよく狙われるところ

認知症のある人が入院で混乱したときの関わりは、「まず何をするか」の順番で問われる。抑制や家族への依頼は最後、と覚えよう。

  • 見当識を支えるには、カレンダーと時計を目に入る位置に置き、日付と場所を会話にまぜる
  • 同じ質問には訂正も否定もせず、そのつど短く答える。「さっきも言いました」という返し方は不安を強める
  • 入院で環境が変わるとせん妄が起こりやすい。認知症と違って急に始まり日内変動があるので、痛み・便秘・脱水・不眠を先に取り除く

参考: 身体拘束ゼロへの手引き(厚生労働省)/医療情報科学研究所編『老年看護学』関連資料

ClaudeによるAI生成を活用した解説です

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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