第106回 看護師国家試験 午後 問75 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

排便時の努責で正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

2・4

💡 解説

✅ 排便時の努責では、呼息位で呼吸が止まり、内肛門括約筋は弛緩する。

便が直腸にたまって壁が伸ばされると、その刺激で内肛門括約筋がひとりでに緩む(直腸肛門反射)。同時に便意が脳へ伝わり、自分の意思で外肛門括約筋を緩めると排便になる。

押し出す力をつくるのが努責である。声門を閉じて呼息位で呼吸を止め、横隔膜と腹壁の筋を同時に収縮させると腹腔内圧が高まる。直腸の平滑筋も収縮し、便が肛門へ送り出される。

努責の間は胸のなかの圧が上がり、心臓へ戻る血液が減る。高齢者や心臓に病気のある人では血圧の変動や不整脈につながるため、便を軟らかく保って強くいきまずにすむようにする。

努責とは

息を止めて腹に力を入れること(いきむこと)。腹腔内圧を高めて便を押し出す動作で、分娩でも同じ力の使い方をする。

  • 1

    直腸平滑筋は弛緩する。不正解

    逆。直腸の平滑筋は収縮して、内容を肛門のほうへ送り出す。

  • 2

    呼息位で呼吸が止まる。正解

    声門を閉じて呼息位で呼吸を止め、その状態で腹圧を高める。

  • 3

    外肛門括約筋は収縮する。不正解

    逆。外肛門括約筋は自分の意思で動かせる筋で、排便のときは緩める。締めるのは便意をがまんするときである。

  • 4

    内肛門括約筋は弛緩する。正解

    直腸の壁が伸ばされると、直腸肛門反射で内肛門括約筋がひとりでに緩む。

  • 5

    腹腔内圧は安静時より低下する。不正解

    逆。横隔膜と腹壁の筋が収縮して腹腔内圧は安静時より高くなり、その圧が便を押し出す。

📚 ここも一緒におさえておこう

排便のしくみは、2つの括約筋の違いと、どの神経・どこの中枢が働くかが問われる。「自分で動かせるかどうか」で分けよう。

  • 内肛門括約筋は平滑筋で自分では動かせない。骨盤内臓神経(副交感神経)が働くと緩む
  • 外肛門括約筋は横紋筋で自分の意思で動かせる。陰部神経が支配し、がまんするときに締める
  • 排便中枢は仙髄にあり、便意は大脳にも伝わって「いま出してよいか」の判断が加わる

参考: 解剖生理学の標準的な教科書(消化管の運動と排便)

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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