第106回 看護師国家試験 午後 問34 解説
📝 問題
車椅子による移送で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 段差はティッピングレバーを踏んで前輪を浮かせ、段の上に乗せてから越える。
車椅子の前輪(キャスター)は小さく、段差や溝に当たると急に止まって患者が前へ投げ出される。 ティッピングレバーは後輪の軸の後ろに出ている棒で、足で踏み込むとてこの働きで前輪が浮く。浮かせた前輪を段の上に乗せ、続けて後輪を押し上げると、衝撃を与えずに越えられる。
他の選択肢は、いずれも患者が前へ滑り落ちたり、体をぶつけたりする動かし方である。 エレベーターは後ろ向きで乗り込み、そのまま前向きに降りる。 急な下り坂も後ろ向きで、看護師が支えながら少しずつ下りる。 移乗の前にはフットレストを上げて、足を床につけてもらう。
ティッピングレバーとは
車椅子の後輪の軸の後ろに出ている棒。足で踏み込むと、てこの働きで前輪が浮き、段差を乗り越えられる。
- 1
エレベーターの中で方向転換する。不正解
エレベーターは、車椅子を後ろ向きにして乗り込み、そのまま前向きに降りる。狭い箱の中で回すと、患者の足や手を壁にぶつけやすい。
- 2
急な下り坂では前向きに車椅子を進める。不正解
逆。急な下り坂は後ろ向きに進み、看護師が車椅子の重さを支えながら下りる。前向きだと患者が前へ滑り落ちる。
- 3
ティッピングレバーを踏み、段差を乗り越える。正解
ティッピングレバーを踏むと前輪が浮き、段の上に乗せられる。前輪から乗せ、次に後輪を押し上げる。
- 4
移乗する前にフットレスト〈足のせ台〉を下げる。不正解
逆。移乗の前はフットレストを上げ、足を床につけてから立ち上がってもらう。下げたままだと足が引っかかって転倒する。
📚 ここも一緒におさえておこう
車椅子は、動かす前の確認がそのまま問われる。ブレーキ・フットレスト・タイヤの3つを組で覚えよう。
- ブレーキは左右ともかける。片側だけでは車椅子が回ってしまう
- フットレストは上げ、足を床につけてから立ち上がってもらう
- タイヤの空気が少ないとブレーキが効きにくくなるので、使う前に確かめる
参考: 系統看護学講座 基礎看護技術
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について