第106回 看護師国家試験 午後 問112 解説
📝 問題
次の文を読み112〜114の問いに答えよ。Aさん(78歳、男性)は、尿路感染症による敗血症で入院し、5日が経過した。中心静脈ラインから輸液ポンプを使用して乳酸加リンゲル液が投与され、その側管からシリンジポンプを使用してノルアドレナリンが投与されている。 朝9時、日勤の看護師が訪室したとき、シリンジポンプの閉塞と輸液ポンプの気泡混入の、2つのアラームが作動した。ノルアドレナリンの入ったシリンジは残量があり、乳酸加リンゲル液のボトルが空になっていた。各ポンプおよび各輸液ラインの状況を図に示す。 看護師がアラームを停止した後に行うこととして最も優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 昇圧薬が届かなくなるのを防ぐため、輸液ラインの閉塞や屈曲がないかを確認するのが最も優先度が高い。
ノルアドレナリンは血管を締めて血圧を上げる昇圧薬で、敗血症のAさんの血圧はこの薬で保たれている。 投与が数分止まるだけでも血圧は下がるので、シリンジポンプの閉塞アラームから先に解決する。
図では、乳酸加リンゲル液のラインが輸液ポンプを通り、その下のクレンメを経て、側管でノルアドレナリンのラインと合流し、1本になって患者へ向かっている。 シリンジには薬が残っているのに閉塞が出ているので、詰まりはシリンジ側のラインか、合流したあとの共通のラインにある。ラインをたどって屈曲・クレンメの閉じ忘れ・接続部のゆるみを確かめ、原因を取り除く。
輸液ポンプの気泡混入は、乳酸加リンゲル液のボトルが空になって空気が入ったもので、ポンプは空気を送り出す前に止まっている。 輸液の準備と気泡の除去は、閉塞を解いたあとで行う。
ノルアドレナリンとは
血管を締めて血圧を上げる薬。ショックのときに少量ずつ持続して流し、止まると血圧が急に下がる。
- 1
乳酸加リンゲル液を準備する。不正解
ボトルが空なので新しい輸液の準備は必要だが、いま止まっているノルアドレナリンのほうが命に直結する。
- 2
ノルアドレナリンを準備する。不正解
シリンジには薬が残っており、作り直す場面ではない。止まっている原因はシリンジの中ではなくラインの側にある。
- 3
輸液ポンプ内のラインの気泡を除く。不正解
気泡混入のアラームでポンプは停止しており、空気が患者へ入る状態ではない。気泡の除去は閉塞を解いたあとで行う。
- 4
輸液ラインの閉塞や屈曲がないか確認する。正解
昇圧薬が届かないと血圧が急に下がるため、屈曲・クレンメの閉じ忘れ・接続部を順にたどり、解除の前に患者側を止めて管内の圧を逃がしてから原因を取り除く(薬液が一気に入るのを防ぐ)。
📚 国試でよく狙われるところ
輸液ポンプとシリンジポンプは、どのアラームが何を知らせているかを入れ替えて問われる。アラームの名前と原因を対にして覚えよう。
| アラーム | 何が起きているか | 対応 |
|---|---|---|
| 気泡混入 | 輸液ボトルが空になった、接続部から空気が入った | ラインをポンプから外して気泡を抜き、輸液を交換する |
| 閉塞 | クレンメの閉じ忘れ、ラインの屈曲、血管内での詰まり | ポンプ側から患者側へ順にたどって原因を取り除く |
| 流量異常 | ラインの装着のずれ、チューブの劣化 | ラインを装着し直す |
参考: 日本看護協会「医療安全推進のための標準テキスト」/系統看護学講座 基礎看護技術
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について