第106回 看護師国家試験 午後 問109 解説

状況設定在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。 訪問看護師が行う母親への経管栄養法の指導で適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 経鼻カテーテルの固定は、皮膚を傷めないよう毎日位置を変えるよう指導する。

Aちゃんのように、重い運動障害と知的障害をあわせもつ状態を重症心身障害という。 経鼻経管栄養法はこれから何年も毎日続くので、指導では母親が家で安全に繰り返せる形を整えることが中心になる。

細いカテーテルを同じ場所に貼り続けると、テープと管の圧で鼻や頬の皮膚が傷つき、鼻翼にくぼみや潰瘍ができる。 固定の位置を毎日少しずつ変えると、これを防げる。

Aちゃんは姿勢を自分では保てず、誤嚥性肺炎を繰り返してきた。注入のときは上半身を30〜45度起こし、胃の内容が逆流しない姿勢をとる。

残る3つは、この子の状態に合わない。注入のたびに排便を促す決まりはなく、側臥位は逆流を招く姿勢で、家庭の食事を流動状にしたものは内腔の細いカテーテルでは詰まりやすい。

重症心身障害とは

重い肢体不自由と重い知的障害をあわせもつ状態。姿勢を保つ・食べる・排泄する・移動するのすべてに介助が要る。

  • 1

    注入する前に排便させる。不正解

    排便は本人のリズムに合わせて整えるもので、注入の前に済ませておく決まりはない。腹部の張りが強いときに排ガス・排便を助けるのは意味がある。

  • 2

    注入中は側臥位を保つようにする。不正解

    側臥位は胃の内容が食道へ逆流しやすい姿勢で、注入中から注入後しばらくは上半身を起こした姿勢を保つ。

  • 3

    カテーテルは毎日場所を変えて固定する。正解

    同じ場所に貼り続けるとテープと管の圧で皮膚が傷むため、固定の位置を毎日変えて鼻や頬の皮膚を守る。

  • 4

    家族と同じ食事を流動食にして注入する。不正解

    経鼻カテーテルは内腔が細く、家庭の食事を流動状にしたものでは詰まりやすい。栄養量も一定にならないため、医師の指示による経腸栄養剤を使う。

📚 ここも一緒におさえておこう

経管栄養は、注入の前・注入中・注入後で確かめることが変わる。順番ごとに1つずつ覚えよう。

  • 注入前=挿入の長さの印と胃内容の吸引で、カテーテルの先が胃にあることを確かめる
  • 注入中=ファウラー位(上半身を起こした姿勢)を保ち、決められた速さでゆっくり落とす
  • 注入後=白湯を通して管の詰まりを防ぎ、30分から1時間は上半身を起こしたままにする

参考: 系統看護学講座 小児看護学/系統看護学講座 在宅看護論

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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