第106回 看護師国家試験 午後 問102 解説
📝 問題
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。 Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。 このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 優先して説明するのは妊婦健康診査の受診頻度である。
妊娠24週は、妊婦健康診査の間隔が4週間に1回から2週間に1回へ縮む時期である。Aさんは結婚と転居で生活が変わったばかりで、受診の場所も予定も組み直すことになる。 次はいつ来るのかを具体的に伝えることが、妊娠の経過を切れ目なく確かめ続けるために優先される。
残る3つは、いま伝えなくても間に合う。 保育所の選択は出産後の生活の話である。 乳房の手入れは、妊娠後期に入ってから乳頭の状態をみて説明する。 側臥位での睡眠は、仰向けがつらくなる妊娠後期に勧める。
仰臥位低血圧症候群とは
妊娠後期に仰向けで寝ると、大きくなった子宮が下大静脈を押して血圧が下がり、気分が悪くなる状態。左側を下にした横向きで防ぐ。
- 1
保育所の選択不正解
保育所の選択は出産後の生活を組み立てる話。妊娠中期のいま優先することではない。
- 2
乳房の手入れ不正解
乳房の手入れは、授乳に備えて妊娠後期に乳頭の状態をみながら説明する。乳頭への刺激は子宮の収縮を促すので、時期を選んで行う。
- 3
側臥位での睡眠不正解
側臥位での睡眠は、大きくなった子宮が下大静脈を押す妊娠後期に勧める。仰臥位低血圧症候群を防ぐための姿勢である。
- 4
妊婦健康診査の受診頻度正解
妊娠24週から健診の間隔が2週間に1回に変わる。転居して生活も変わった時期なので、次の受診の時期を一緒に確かめる。
📚 国試でよく狙われるところ
妊婦健康診査は、受診の間隔・毎回の検査・費用のしくみがまとめて問われる。24週と36週で間隔が縮む、という区切りから覚えよう。
- 受診の間隔は23週まで4週間に1回、24〜35週は2週間に1回、36週以降は毎週。標準は全部で14回程度
- 毎回の基本検査は体重・血圧・尿検査(蛋白・糖)・浮腫・腹囲・胎児心音
- 費用は市町村が公費で負担する。転居したときは転居先の市町村で受診票の手続きをする
参考: 妊婦健康診査の望ましい基準(厚生労働省)/医療情報科学研究所編『病気がみえる 産科』関連資料
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について