第106回 看護師国家試験 午前 問100 解説

状況設定小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み100〜102の問いに答えよ。A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂と診断された。主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。 看護師の説明で適切なのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 手術の時期と重ならないよう、予防接種の時期を主治医と相談するよう説明する。

遠位型の尿道下裂は、外尿道口の位置がずれているだけで排尿そのものは保たれている。手術は体が育つのを待って1歳前後に行うので、それまでの生活は基本的にふつうの育児でよい。

この時期に相談が要るのは予防接種の時期である。接種のあとしばらくは麻酔をかける手術を避けるため、手術の予定と重ならないように主治医と組み立てる。1歳前後までは接種が立て込むので、自分で決めずに相談するよう伝える。

他の選択肢は必要のない負担になる。遠位型では排尿が保たれており、家庭で尿量を計る意味はない。 体重の増え方と手術の準備を確かめるため、手術までのあいだも外来を受診する。 おむつ交換のたびの消毒は皮膚を荒らすので、ぬるま湯で洗って乾かすだけでよい。

尿道下裂とは

外尿道口が陰茎の先ではなく、腹側の途中に開いている生まれつきの状態。開く位置が先端に近いものを遠位型という。

  • 1

    「尿量を計測してください」不正解

    遠位型では尿の出方は保たれている。家庭で尿量を計っても、手術の時期の判断には使われない。

  • 2

    「手術まで外来の受診はありません」不正解

    体重の増え方や外尿道口の状態を確かめるため、手術までのあいだも定期的に外来を受診する。

  • 3

    「予防接種の時期は主治医と相談してください」正解

    予防接種のあとは一定の期間をあけて手術を行うため、接種と手術の日程を主治医と一緒に組む。

  • 4

    「オムツを交換するたびに尿道口を消毒してください」不正解

    消毒薬は赤ちゃんの皮膚を荒らす。おむつ交換のたびにぬるま湯で洗って乾かせば十分である。

📚 ここも一緒におさえておこう

尿道下裂は、手術の時期と、手術までにしてはいけないことが問われる。「包皮は手術の材料になる」と結びつけて覚えよう。

  • 陰茎の下方屈曲を伴うことがあり、そのままでは立って排尿しにくい。手術では尿道を作ると同時にこの曲がりも直す。
  • 尿道を作るときに包皮を材料に使うため、手術の前に包皮を切る処置はしない。
  • 手術は記憶に残りにくい乳幼児期に行い、立って排尿できることと外見を整えることを目標にする。

参考: 小児泌尿器科の標準テキスト(尿道下裂)/小児看護学テキスト(先天異常のある子どもと家族への支援)

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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