第105回 看護師国家試験 午後 問88 解説
📝 問題
加齢に伴う心血管系の変化で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・3
💡 解説
✅ 加齢に伴い、左室の壁は厚くなり、収縮期血圧は上がる。
加齢による心血管系の変化は、動脈が硬くなることから始まる。 弾力を失った動脈は心臓が送り出した血液の勢いを受け止めきれず、収縮期血圧が上がる。拡張期血圧は上がらないか下がるので、上と下の差(脈圧)は広がる。
高い圧に向けて血液を押し出す心臓は、それに耐えるために筋肉を厚くする。これが左室壁の肥厚である。
残りは向きが逆になる。安静時の心拍数は増えず、運動時に上げられる最大心拍数はむしろ下がる。血圧の変化を感じ取る圧受容機能は鈍くなり、立ち上がったときに血圧が下がりやすい。刺激伝導系では洞結節の細胞が減り、脈が乱れやすくなる。
圧受容機能とは
頸動脈や大動脈にある圧受容器が血圧の変化を感じ取り、心拍数や血管の太さを調節して血圧を一定に保つ働き。鈍くなると立ちくらみが起こる。
- 1
心拍数の増加不正解
安静時の心拍数は増えない。運動で上げられる最大心拍数は加齢とともに下がる。
- 2
左室壁の肥厚正解
硬くなった動脈に血液を送り出すため、左室の筋肉が厚くなる。
- 3
収縮期血圧の上昇正解
動脈の弾力が失われて収縮期血圧が上がる。拡張期血圧は上がらず、脈圧が広がる。
- 4
圧受容機能の亢進不正解
逆。血圧の変化を感じ取る働きは鈍くなり、起立性低血圧を起こしやすくなる。
- 5
刺激伝導系の細胞数の増加不正解
逆。洞結節のペースメーカ細胞は減っていき、脈が乱れやすくなる。
📚 国試でよく狙われるところ
加齢の変化は「増える/減る」を入れ替えて問われる。心血管系は、硬くなる・鈍くなる・減るの3つでほぼ説明がつく。
- 硬くなる=動脈の弾力が落ち、収縮期血圧の上昇と脈圧の拡大が起こる
- 鈍くなる=圧受容器反射が落ち、起立性低血圧や食後低血圧を起こしやすい
- 減る=洞結節の細胞と心臓の予備力が減り、運動時の心拍数が上がりにくい
参考: 標準的な老年看護学(加齢に伴う循環器系の変化)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について