第105回 看護師国家試験 午後 問76 解説
📝 問題
臓器の移植に関する法律において脳死臓器提供が可能になるのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 臓器の移植に関する法律では脳死後の臓器提供に年齢の制限がなく、家族の承諾があれば子どもからも提供できる。
臓器の移植に関する法律は平成21年(2009年)に改正され、平成22年(2010年)7月から年齢の制限がなくなった。 本人が生前に拒否していなければ、書面の意思表示がなくても家族の承諾で脳死後の臓器提供ができる。 この改正で、それまで提供できなかった15歳未満の子どもからの提供も可能になった。
15歳という数字は本人の意思表示が有効とされる年齢であって、提供できる年齢の下限ではない。1歳・6歳・20歳という線引きも法律には置かれていない。
ただし子どもには上乗せの手続きがある。虐待を受けて亡くなった疑いのある児童からは提供せず、6歳未満では法的脳死判定の間隔を24時間以上あける(6歳以上は6時間以上)。生後12週未満の児は法的脳死判定の対象から外れるため、脳死後の提供はできない。
法的脳死判定とは
臓器提供のために、決められた項目と手順で脳のはたらきが戻らないことを2回確かめる判定。ふだんの診療で行う脳死の診断とは別に、資格をもつ2人以上の医師が行う。
- 1
1歳不正解
1歳という線引きは法律に置かれていない。年齢を問わず、家族の承諾があれば提供できる。
- 2
6歳不正解
6歳は脳死判定の手続きが変わる境目で、6歳未満では2回の判定の間隔を24時間以上あける。提供できる年齢の下限ではない。
- 3
15歳不正解
15歳は本人の意思表示が有効とされる年齢。改正前は提供の下限だったが、いまは下限ではない。
- 4
20歳不正解
20歳という要件は法律のどこにもない。要件になるのは本人が拒否していないことと家族の承諾である。
- 5
年齢制限なし正解
改正で年齢の制限は撤廃された。本人が拒否していなければ、家族の承諾で子どもからも提供できる。
📚 国試でよく狙われるところ
臓器移植は「本人の意思表示があるか」と「家族が承諾したか」の組合せを入れ替えて問われる。改正で何が変わったかを対にして覚えよう。
- 本人が書面で提供の意思を示していれば、家族が拒まない限り提供できる
- 本人の意思が不明でも、家族の承諾があれば提供できる(改正で加わった形)
- 本人が生前に拒否していれば、家族が承諾しても提供できない
- 本人は書面で親族への優先提供の意思も示せる
参考: 臓器の移植に関する法律/厚生労働省「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針」
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について