第105回 看護師国家試験 午後 問44 解説
📝 問題
Aさん(43歳、男性)は、胆道狭窄のため内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉検査を受けた。検査後に心窩部痛が出現したため、禁食、抗菌薬および蛋白分解酵素阻害薬による治療が行われている。翌日実施した血液検査の項目でAさんに生じている合併症を判断できるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 内視鏡的逆行性胆管膵管造影のあとに起きた急性膵炎は、アミラーゼで判断できる。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉は、内視鏡を十二指腸まで進めて胆管と膵管に造影剤を流す検査である。 膵管を刺激するため検査後に急性膵炎を起こすことがあり、これが最も多い合併症である。
Aさんの心窩部痛、禁食、蛋白分解酵素阻害薬による治療は、いずれも急性膵炎に対するものである。 膵臓から漏れた消化酵素は血液中に入るので、アミラーゼが上がっているかどうかで判断できる。
他の3つは別の臓器をみる項目である。アルブミンは栄養状態と肝臓の合成能、クレアチニンは腎機能、クレアチンキナーゼは骨格筋と心筋を反映する。
ERCP〈イーアールシーピー〉とは
内視鏡を十二指腸まで入れ、胆管と膵管に細い管から造影剤を注いで撮影する検査。狭くなった部分の治療も同時に行える。
- 1
アミラーゼ正解
アミラーゼは膵臓から出る消化酵素で、膵炎が起きると血液中に増える。
- 2
アルブミン不正解
アルブミンは肝臓で作られる蛋白で、栄養状態や肝臓の合成能を反映する。
- 3
クレアチニン不正解
クレアチニンは腎臓の糸球体でこし取られる老廃物で、腎機能の指標である。
- 4
クレアチンキナーゼ不正解
クレアチンキナーゼは骨格筋や心筋に多い酵素で、筋肉の障害や心筋梗塞で上がる。
📚 ここも一緒におさえておこう
内視鏡的逆行性胆管膵管造影は、検査そのものより検査後の合併症が問われる。看護は「膵炎を見逃さない」に集中する。
- 検査後の観察は、腹痛・発熱・悪心と、血液検査のアミラーゼ・リパーゼ
- 膵炎を防ぐため検査後はしばらく禁食とし、輸液を続ける
- 膵炎のほかに、出血・穿孔・胆管炎が起こりうる
参考: 系統看護学講座 成人看護学 消化器/臨床検査データブック
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について