第105回 看護師国家試験 午後 問25 解説
📝 問題
母乳栄養で不足しやすいのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 母乳栄養で不足しやすいのはビタミンKである。
母乳はビタミンKが少ない。生まれたばかりの赤ちゃんは腸内細菌が育っておらず、腸で作られる分も足りない。ビタミンKは胎盤も通りにくい。 この3つが重なって不足し、血が止まりにくくなる。これがビタミンK欠乏性出血症で、生後まもない消化管の出血(新生児メレナ)と、生後1〜2か月に起こる頭蓋内出血が代表である。
予防にはビタミンKのシロップを飲ませる。出題された2016年当時は哺乳確立時・生後1週・1か月健診の3回だったが、現在は生後3か月まで続ける方法がすすめられている。
新生児メレナとは
生まれて数日のうちに起こる消化管からの出血。血の混じった吐物や黒い便が出る。
- 1
ビタミンA不正解
ビタミンAは母乳に十分含まれる。目の働きを助け、皮膚や粘膜を保つビタミンである。
- 2
ビタミンB不正解
ビタミンB群も、母親の食事が極端に偏らなければ足りる。糖や脂質をエネルギーに変えるはたらきをもつ。
- 3
ビタミンC不正解
ビタミンCは母乳に含まれ、母親が食事からとっていれば不足しない。コラーゲンを作り、鉄の吸収を助ける。
- 4
ビタミンE不正解
ビタミンEは母乳にも十分に含まれ、不足しにくい。細胞の膜を酸化から守るはたらきをもつ。
- 5
ビタミンK正解
母乳にもともと少なく、新生児は腸内細菌からも作れないため不足する。
📚 国試でよく狙われるところ
母乳と人工乳は、足りない栄養素を入れ替えて問われる。「母乳に足りないのはK・D・鉄」と3つで覚えよう。
- ビタミンK=哺乳確立時と生後1週(産科退院時)のあと、生後3か月まで週1回。合わせて13回シロップを飲ませる
- ビタミンD=不足するとくる病になる。適度に日光に当たることで補う
- 鉄=生後6か月ごろから足りなくなる。離乳食で赤身の肉や魚から補う
参考: 日本小児科学会ほか 新生児と乳児のビタミンK欠乏性出血症発症予防に関する提言/系統看護学講座 小児看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について