第105回 看護師国家試験 午後 問120 解説
📝 問題
次の文を読み118〜120の問いに答えよ。Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。 避難から3週後、Aちゃん家族は仮設住宅に移動が決定し、両親は忙しくしている。Aちゃんは1人で過ごすことが多く、絵本を持ってぼんやりとしていることが多い。母親からAちゃんの様子がいつもと違うと看護師に相談があった。 母親への対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 母親には、Aちゃんとのスキンシップの時間を増やすよう促すのが最も適切である。
避難から3週。仮設住宅への移動が決まり、両親は忙しくしている。Aちゃんは1人で過ごし、絵本を持ってぼんやりしていることが多い。 災害と生活の変化が重なるなかで、親と触れ合う時間が減ったことへの反応と考えられる。抱っこや添い寝のように肌が触れ合う時間を意識して増やすと、Aちゃんは安心を取り戻しやすい。 災害後の子どもの反応の多くは異常な出来事に対する正常な反応で、安心できる環境と日常の回復とともに和らいでいく。
残る3つは、母親の負担や自責を増やす。引っ越しの説明も必要だが、いま足りないのは説明ではなく触れ合う時間である。 すぐに専門医を受診するよう促すと、日常の関わりで和らぐ段階を飛ばすことになる。 母親の関わりが原因だと話すのは、母親を責めることになり、親子の関係をさらに難しくする。
- 1
引っ越しすることを説明するよう促す。不正解
引っ越しの説明も必要になる。ただしいまAちゃんに足りないのは説明ではなく、親と触れ合う時間である。
- 2
スキンシップの時間を増やすように促す。正解
抱っこや添い寝のように肌が触れ合う時間を増やすと、安心を取り戻しやすい。生活が大きく変わる時期ほど意識してつくる。
- 3
すぐに専門医の外来を受診するよう促す。不正解
災害後の子どもの反応の多くは、日常の関わりで和らぐ。眠れない・食べられない状態が長く続くときに、専門的な支援につなぐ。
- 4
子どもの反応は母親の関わりが原因だと話す。不正解
母親を責める言葉になり、自責の気持ちを強めてしまう。Aちゃんの反応は災害と生活の変化によるもので、母親の関わりのせいではない。
📚 国試でよく狙われるところ
災害後の支援は、時期によって何をするかが変わる。急性期は安全の確保、そのあとは日常の回復、と段階で覚えよう。
- 仮設住宅への移動や転校など生活の変化が重なる時期は、いったん落ち着いた反応がぶり返しやすい
- 被災した家族は住まい・仕事・手続きに追われる。保健師や地域の相談窓口につないで負担を分ける
- 眠れない・食べられない・強い恐怖が1か月を超えて続くときは、専門的な支援につなぐ
参考: 系統看護学講座 災害看護/系統看護学講座 小児看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について