第105回 看護師国家試験 午前 問88 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(42歳、女性)は、2週前から腰痛と坐骨神経痛とを発症し整形外科で処方された鎮痛薬を内服している。帯下が増えて臭いもあるため婦人科を受診し、子宮頸癌と診断された。進行期を決めるためにAさんに行われる検査で適切なのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

3・5

💡 解説

✅ 子宮頸癌の進行期を決めるために行うのは腎盂尿管造影とCTである。

子宮頸癌の進行期は、がんが子宮の外へどこまで広がったかで決まる。とくに骨盤の壁や尿管に及んでいないか、膀胱・直腸の粘膜に入り込んでいないかが分かれ目になる。

腎盂尿管造影は、がんに押されて尿管がふさがり水腎症になっていないかを見る検査である。水腎症があれば、がんが骨盤の壁まで達したと判断される。CTは骨盤内の広がりに加え、リンパ節の腫れや離れた臓器への転移までまとめて確かめられる。

出題時点の分類は、内診・膀胱鏡・直腸鏡・腎盂尿管造影・胸部X線などの臨床所見を基本としながら、CTやMRIによる画像診断を広がりの評価に用いることも認められていた。2018年の改訂では、画像所見と手術で得た病理の所見が正式に進行期を決める根拠に加わり、リンパ節転移の有無が期に反映されるようになった。

水腎症とは

尿の通り道がふさがれ、腎臓の中に尿がたまって腎盂が広がった状態。子宮頸癌では、大きくなったがんが尿管を押しつぶすと起こる。

  • 1

    ヒトパピローマウイルス検査不正解

    ヒトパピローマウイルス検査は、子宮頸癌の原因となるウイルスがいるかを調べる検査である。検診での振り分けや治療後の経過観察に使い、広がりの程度は分からない。

  • 2

    小腸内視鏡検査不正解

    子宮頸癌が接して広がる先は膀胱と直腸で、小腸には及ばない。小腸内視鏡検査は小腸の出血や炎症を調べる検査である。

  • 3

    腎盂尿管造影正解

    尿管がふさがれて水腎症になっていないかを確かめる。水腎症があれば骨盤の壁まで達したと判断され、進行期が上がる。

  • 4

    脊髄造影不正解

    脊髄造影は脊髄と神経根の圧迫を調べる検査である。腰痛と坐骨神経痛の原因を探るには使うが、子宮頸癌の広がりは分からない。

  • 5

    CT正解

    CTは骨盤内の広がり、リンパ節の腫れ、肺や肝臓への転移までを一度に確かめられる。広がりの全体像をつかむのに欠かせない。

📚 国試でよく狙われるところ

子宮頸癌は、広がった先と進行期の境目を入れ替えて問われる。「どこまで届いたら何期か」を場所で覚えよう。

  • Ⅰ期=子宮頸部にとどまる
  • Ⅱ期=腟の上3分の2、または子宮の周りの組織まで広がる
  • Ⅲ期=腟の下3分の1、または骨盤の壁まで達する。水腎症や無機能腎(がん以外が原因のものを除く)があればここに入る
  • Ⅳ期=膀胱や直腸の粘膜に入り込む、または骨盤の外へ転移する
  • 現在の分類では、画像や手術で確かめたリンパ節転移もⅢ期に含める

参考: 日本産科婦人科学会「子宮頸癌取扱い規約」/成人看護学(女性生殖器のがんの看護)

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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