第105回 看護師国家試験 午前 問50 解説
📝 問題
エイジズムを示す発言はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 年齢だけを理由に運転免許証の返納を求める発言が、エイジズムにあたる。
エイジズムは、年齢を理由にその人を決めつけ、差別的に扱う考え方や行いをいう。人種差別・性差別と並ぶ差別の1つとして扱われる。
「後期高齢者は運転免許証を返納するべきだ」は、一人ひとりの運転の能力を確かめないまま、年齢という区分だけで一律に権利を手放させる言い方である。ここがエイジズムにあたる。
残る3つは年齢で切り捨てていない。社会で支える、本人のもつ力を発揮できる環境を整えるという発言は、むしろ支援の姿勢を示す。認知症の患者の治療方針を医療従事者が決めるという発言も、問題は本人の意思決定を軽んじる点にあり、年齢による差別とは別の課題である。
- 1
「介護を要する高齢者を社会で支えるべきだ」不正解
介護を要する高齢者を社会全体で支えるという考え方で、介護保険制度の土台になっている。年齢による決めつけはない。
- 2
「後期高齢者は車の運転免許証を返納するべきだ」正解
運転の能力を一人ひとり確かめないまま、後期高齢者という年齢区分だけで免許を手放すべきだと決めつけている。
- 3
「認知症の患者の治療方針は医療従事者が決めるべきだ」不正解
本人の意思を確かめずに医療者が決める点に問題がある発言で、自己決定を尊重していない例にあたる。年齢を理由にした差別ではない。
- 4
「高齢者が潜在的に持つ力を発揮できるような環境を整えるべきだ」不正解
高齢者がもつ力に目を向け、それを発揮できる環境を整えるという発言で、エイジズムとは逆の姿勢にあたる。
📚 ここも一緒におさえておこう
高齢者のとらえ方を表すカタカナ用語は、まとめて選択肢に並ぶ。年齢で決めつける側か、力に目を向ける側かで分けよう。
- プロダクティブエイジング=高齢者を支えられるだけの存在とせず、社会に貢献し続ける存在としてとらえる考え方
- サクセスフルエイジング=病気や障害があっても、本人が満足できる老い方を実現している状態
- エンパワメント=本人がもつ力を引き出し、自分で決めて行動できるように支えること
参考: 系統看護学講座 老年看護学
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について