第104回 看護師国家試験 午後 問74 解説
📝 問題
災害急性期における精神障害者への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 災害急性期には、精神疾患の治療薬を中断しないように支援する。
災害の直後は、住まいも薬を受け取る手段も一度に断たれる。 精神疾患の治療に使う薬を急にやめると症状がぶり返し、不眠や不安、幻覚・妄想の再燃、離脱症状が起こる。
そこで、手元に残っている薬の量を確かめ、お薬手帳や薬の名前が分かるものをもとに、避難所の救護所や薬局で同じ薬を続けられるように整える。 手に入るまでの間も、飲む量や時間を自分で減らさないよう伝える。
残る3つは、本人の不安を強めたり、悪化の兆しを見落としたりする対応である。
離脱症状とは
続けて使っていた薬を急にやめたときに現れる症状。不眠・不安・発汗・吐き気などが起こる。
- 1
名札の着用を指示する。不正解
名札で病名や障害が周囲に伝わると、偏見の目にさらされる。名札を着けるかどうかは本人が決めることで、看護師が指示するものではない。
- 2
災害の状況については説明しない。不正解
何が起きているか分からない状態は不安を強める。情報は隠さず、短くはっきりした言葉で、繰り返し伝える。
- 3
不眠が続いても一時的な変化と判断する。不正解
眠れない状態が続くのは、症状が悪くなる前ぶれである。一時的なものと決めつけず、休める場所の確保や医師への相談につなげる。
- 4
服薬している薬剤を中断しないように支援する。正解
薬が切れないよう手配し、飲み続けられる環境を整える。お薬手帳がなくても、薬の形や色、以前かかっていた医療機関から確かめられる。
📚 ここも一緒におさえておこう
災害時の心のケアは、誰が担うのかと、何を先にするのかが問われる。「まず生活の土台を整え、心の話は本人のペースで」と覚えよう。
- 災害の後に被災地へ入り、精神科医療と心のケアを担うのが災害派遣精神医療チーム〈DPAT〉である
- つらい体験を無理に語らせない。安全な場所・休息・食事という生活の土台を先に整える
- 避難所では音や光、人の多さが刺激になる。刺激の少ない場所を用意すると落ち着いて過ごせる
参考: 厚生労働省 災害派遣精神医療チーム活動要領/系統看護学講座 精神看護学
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について