第104回 看護師国家試験 午後 問72 解説
📝 問題
医療における安全管理のシステム設計の原則で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 医療における安全管理のシステム設計では、作業のプロセスを標準化する。
医療安全の考え方の土台は「人は誰でも間違える」である。 注意深さや経験に頼るのではなく、間違いが起こりにくく、起きてもすぐ気づける仕組みをつくる。
その中心が作業の標準化である。 手順書やチェックリストで「誰がやっても同じ順番・同じ方法」にそろえておくと、いつもと違う動きが目に留まり、間違いの手前で止められる。
残る3つは、人の心がけや能力に頼る考え方で、システムの設計としては成り立たない。
- 1
個人の反省を促す。不正解
反省を求めるだけでは同じ間違いが繰り返される。個人を責めずに出来事を報告してもらい、仕組みの側を直していく。
- 2
人の記憶力を重視する。不正解
逆。記憶に頼るほど間違いは増える。指示は口頭で済ませずに文書で残し、確認する場面を手順の中に組み込む。
- 3
作業のプロセスを標準化する。正解
手順がそろっていると、経験の差があっても同じ結果に近づく。手順から外れたことに気づきやすくなるという利点もある。
- 4
いくつかの業務を同時に実施する。不正解
複数の業務を同時に進めると注意が分かれ、確認が抜ける。とくに薬剤の準備は、ほかの作業と重ねずに区切って行う。
📚 国試でよく狙われるところ
医療安全は、間違いを防ぐ仕組みの名前と中身を入れ替えて問われる。名前と「どう間違いを防ぐか・どう拾うか」を対にして覚えよう。
- フールプルーフ=そもそも間違った使い方ができないようにする工夫。経管栄養の管と点滴の管でつなぎ口の形を変えるなど
- フェイルセーフ=間違いや故障が起きても安全な側に働く工夫。輸液ポンプが異常を感知して止まるなど
- インシデントレポート=患者に害が及ばなかった出来事も集め、原因を分析して仕組みの改善につなげる報告
参考: 厚生労働省 医療安全対策/系統看護学講座 看護の統合と実践
出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について