第104回 看護師国家試験 午前 問100 解説

状況設定老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み100〜102の問いに答えよ。Aさん(90歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病で、重度の認知機能の低下がある。要介護4で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。 現在のAさんのAlzheimer〈アルツハイマー〉病の状態で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 重度の認知機能の低下があっても、視線を動かすことはできる。

Alzheimer〈アルツハイマー〉病が重度になると、言葉や身の回りのことは失われていくが、視線を動かすという基本的な動きは最後まで残る。 Aさんは要介護4で重度の認知機能の低下があり、この段階にあたる。 話しかけるときは正面から視線を合わせ、反応を確かめながら関わる。

残る3つは、この段階ではすでに難しい。車椅子を自分で操作するには手順の理解と判断が要る。季節に合わせて服を選ぶ働きは中等度で失われる。ミニメンタルステート検査の20点は、重度の状態を示す点数ではない。

実行機能とは

目的に向かって段取りを立て、順序よく行う力。買い物や着替えのように、いくつもの手順が要る動作に必要になる。

  • 1

    視線を動かすことができる。正解

    視線を動かす、目を合わせるといった動きは重度になっても残りやすい。声をかけるときの手がかりになる。

  • 2

    車椅子を操作することができる。不正解

    車椅子の自走には、ブレーキやフットレストを順序よく操作する力が要る。重度の段階では難しい。

  • 3

    季節に合わせて服を選ぶことができる。不正解

    気温や場面に合わせて服を選ぶのは実行機能の働きで、中等度の段階で失われる。

  • 4

    Mini-Mental State Examination〈MMSE〉20点である。不正解

    ミニメンタルステート検査(MMSE)は30点満点で、23点以下が認知症の疑いとされる。20点は重度の認知機能の低下を示す点数ではない。

📚 ここも一緒におさえておこう

アルツハイマー病は進み方の順序で問われる。段階ごとに何ができなくなるかを並べて覚えよう。

  • 軽度=最近の出来事を忘れる。買い物や金銭の管理が難しくなる。
  • 中等度=服を選ぶ、道具を使うといった実行機能が落ち、着替えや入浴に介助が要る。
  • 高度=言葉が出なくなり、食事や排泄にも全面的な介助が要る。歩けなくなり、嚥下障害から誤嚥性肺炎を起こしやすい。

参考: 日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン」/系統看護学講座 老年看護学

出典:「第104回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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