第103回 看護師国家試験 午後 問77 解説
📝 問題
災害の慢性期(復興期)における避難所内の看護師の役割で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 災害の慢性期に避難所で看護師が担うのは、集団生活で広がりやすい感染症の予防である。
避難所での看護師の役割は、災害からの時期によって変わる。 慢性期(復興期)は避難所での生活が長引く時期で、狭い空間に大勢が寝起きし、水も換気も十分でない。 そこでインフルエンザ・ノロウイルスのような感染症が広がりやすくなるため、手洗いの呼びかけ、居室の換気、体調不良者の早期発見といった感染予防が中心の役割になる。
他の3つは、この時期の看護師の役割から外れる。 住宅の確保は行政が担う仕事で、安全な避難と誘導は発災直後に行う。居住スペースの確保は避難所を立ち上げる急性期から亜急性期の課題である。
- 1
住宅支援不正解
住宅支援は仮設住宅の建設や入居の調整で、市町村など行政が担う。看護師は健康面で配慮が要る人の情報を行政へつなぐ立場になる。
- 2
感染予防正解
集団生活が長引くほど感染症は広がりやすい。手洗い・換気・体調不良者の早期発見が慢性期の中心になる。
- 3
安全な避難と誘導不正解
安全な避難と誘導は、発災直後の超急性期に行うこと。慢性期には避難そのものが終わっている。
- 4
居住スペースの確保不正解
居住スペースの確保は、避難所を立ち上げる急性期から亜急性期の課題。慢性期には関心がプライバシーの保護や生活不活発病の予防へ移る。
📚 ここも一緒におさえておこう
災害看護は「どの時期に何をするか」を入れ替えて問われる。時期と代表的な活動を対にして覚えよう。
- 超急性期(発災〜72時間)=救助とトリアージ、救命処置、安全な場所への避難誘導
- 急性期〜亜急性期(〜1か月)=避難所の環境整備、居住スペースとトイレの確保、生活不活発病の予防
- 慢性期・復興期(1か月〜)=感染症の予防、持病の管理、心のケア、生活再建に向けた相談
参考: 標準的な災害看護学(災害サイクルと各期の看護)/内閣府「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について