第103回 看護師国家試験 午後 問73 解説

一般在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

Aさんは、1人で暮らしている。血管性認知症があり、降圧薬を内服している。要介護1で、週3回の訪問介護と週1回の訪問看護を利用している。最近では、Aさんは日中眠っていることが多く、週1回訪ねてくる長男に暴言を吐くようになっている。 Aさんの長男の話を傾聴した上で、訪問看護師の長男への対応で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 長男には、Aさんがデイサービス(通所介護)を利用することを提案する。

Aさんは日中眠っていることが多く、昼と夜のリズムが崩れている。 暴言は認知症の行動・心理症状〈BPSD〉として現れやすく、生活リズムの乱れや刺激の少なさが背景にあることが多い。 デイサービス(通所介護)に通うと日中に体を動かし人と関わる時間ができ、夜に眠れるようになる。独居のAさんの見守りが増え、週1回訪ねる長男の負担も軽くなる。

残る3つは、暴言の背景に手が届かない。 怒らせない関わりを長男に求めることは、原因を家族の努力に置き換えることになる。 訪問しないようにすすめると、唯一の家族とのつながりと見守りが失われる。 週1回しか訪ねない長男に毎日の内服介助はできない。

行動・心理症状〈BPSD〉とは

認知症で現れる暴言・徘徊・不安・幻覚などの症状。記憶障害などの中核症状と違い、環境や体調を整えることでやわらぐことが多い。

  • 1

    デイサービスの利用を提案する。正解

    日中に活動と交流の時間ができ、昼夜のリズムが整う。独居のAさんの見守りと長男の休息にもつながる。

  • 2

    Aさんを怒らせないように助言する。不正解

    長男が一人で抱え込むことになる。暴言の背景にある生活リズムの乱れは変わらない。

  • 3

    Aさん宅に行かないように助言する。不正解

    訪問をやめると、唯一の家族とのつながりと独居の見守りが失われる。

  • 4

    薬の内服介助をするように提案する。不正解

    週1回の訪問では毎日の内服介助はできない。降圧薬の管理は訪問看護と訪問介護で組み立てる。

📚 国試でよく狙われるところ

認知症の暴言や興奮は、「やめさせる方法」ではなく「背景を減らす方法」を選ぶ形で問われる。薬より先に環境を整える、と覚えよう。

  • 行動・心理症状〈BPSD〉の背景には、生活リズムの乱れ・痛み・便秘・脱水・感染・環境の変化がある。まずここを探す
  • 血管性認知症は脳梗塞や脳出血のあとに起こり、できることとできないことの差が大きい。感情が抑えにくくなることも多い
  • 独居の人には服薬カレンダーや一包化を使い、訪問介護・訪問看護で毎日の内服を支える

参考: 在宅看護論テキスト(認知症のある人と家族への支援)

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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