第103回 看護師国家試験 午後 問54 解説
📝 問題
高齢者の蛋白質・エネルギー低栄養状態〈protein-energy malnutrition:PEM〉について正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 高齢者の蛋白質・エネルギー低栄養状態は、要介護度が高い人ほど多くみられる。
蛋白質・エネルギー低栄養状態は、体をつくる蛋白質と、活動のもとになるエネルギーの両方が足りない状態をいう。高齢者では、食べる量の減少、噛む力や飲み込む力の低下、買い物や調理の困難、意欲の低下が重なって起こる。 どれも要介護度が上がるほど強く現れるため、低栄養の割合も要介護度に沿って高くなる。
他の選択肢は、現れ方や数値を取り違えている。足りないエネルギーを補うために体脂肪も筋肉も分解されるので、体脂肪は減る。 原因は特定の病気ひとつではなく、食事量の減少や生活のしにくさが重なって起こる。 栄養状態の目安になる血清アルブミンは、3.5g/dL以下で低栄養を疑う。
血清アルブミンとは
血液の中で最も多い蛋白質。栄養状態の目安に使われ、低いと低栄養やむくみが起こる。
- 1
体脂肪の消耗はみられない。不正解
逆。エネルギーが足りないと体脂肪も筋肉も分解して使われるため、体脂肪は減る。
- 2
要介護度が高いほどPEMの発症率は高い。正解
食事量の減少、飲み込む力の低下、買い物や調理の困難が重なるほど低栄養になりやすく、要介護度と並んで発症率が上がる。
- 3
PEMの発症率は心疾患によるものが最も高い。不正解
原因は特定の病気ひとつではなく、食事量の減少・嚥下障害・認知機能の低下・独居といった生活の要因が重なって起こる。
- 4
栄養指標は血清アルブミン3.7g/dL以下である。不正解
血清アルブミンで低栄養を疑うのは3.5g/dL以下で、3.7g/dLは基準に当たらない。
📚 国試でよく狙われるところ
高齢者の低栄養は、判定に使う数値がそのまま問われる。体重・血液・生活の3方向で覚えよう。
- 体重の減少が最も分かりやすいサイン。6か月で2〜3kg以上減っていたら低栄養を疑う。
- やせの目安はBMI 18.5未満。血液の値は脱水や炎症でも動くので、体重の変化と合わせてみる。
- 食事の量だけでなく、義歯の不具合、味覚の変化、薬の副作用、抑うつ、独居による孤食まで原因を探る。
参考: 厚生労働省 介護予防マニュアル(栄養改善)/老年看護学(高齢者の栄養)の教科書
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について