第103回 看護師国家試験 午後 問26 解説
📝 問題
食道について正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 食道の粘膜は、こすれに強い重層扁平上皮でおおわれている。
食道は、飲み込んだ食べ物が固いまま通る管である。そこで内側は、平たい細胞が何層にも重なった重層扁平上皮でおおわれ、摩擦から守られている。同じ上皮は口腔や皮膚にもあり、こすれる場所に共通する。 胃に入ると粘液を出す単層円柱上皮に変わる。この境目は胃液の逆流を受けやすく、逆流性食道炎が起きる場所でもある。
他の選択肢は、食道の位置と大きさを取り違えている。食道は長さ約25cmで、胸部では心臓の背側を通る。外膜は薄い結合組織で、胃や腸のような漿膜をもたない。
重層扁平上皮とは
平たい細胞が何層にも重なった上皮。こすれる刺激に強く、食道・口腔・皮膚をおおう。
- 1
厚く強い外膜で覆われる。不正解
食道の外膜は薄い結合組織で、胃や腸のような漿膜がない。そのため炎症や癌が周囲へ広がりやすい。
- 2
粘膜は重層扁平上皮である。正解
食道の粘膜は重層扁平上皮で、固いものが通る摩擦に耐えられる。
- 3
胸部では心臓の腹側を通る。不正解
食道は心臓の背側を通る。心臓の腹側にあるのは胸骨である。
- 4
成人では全長約50cmである。不正解
成人の食道は約25cmで、50cmはその倍にあたる長さである。
📚 ここも一緒におさえておこう
食道は、上皮の種類と3か所の生理的狭窄部位がまとめて問われる。狭窄部は食道そのものの長さではなく、切歯(前歯)からの距離で覚えよう。 3か所は飲み込んだ異物が引っかかりやすく、食道癌ができやすい場所でもある。
- ①上狭窄部(食道入口部)=切歯から約15cm
- ②中狭窄部(気管分岐部・大動脈弓)=切歯から約25cm
- ③下狭窄部(横隔膜食道裂孔)=切歯から約40cm
参考: 標準的な解剖生理学(消化管の組織構造)
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について