第103回 看護師国家試験 午後 問116 解説

状況設定在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み115〜117の問いに答えよ。Aちゃん(2歳4か月、女児)は、母と会社員の父と3人で暮らしている。Aちゃんは、脳性麻痺で寝たきりのため全介助で在宅療養をしていた。3か月前に、誤嚥性肺炎を発症して緊急入院し、気管切開をして人工呼吸器を装着した。現在、呼吸状態は安定しているが、啼泣時に気道閉塞があるため、夜間のみ人工呼吸器で呼吸管理を継続することになった。Aちゃんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)を所持している。 Aちゃんの家族への指導は順調に行われ退院することになった。 Aちゃんの退院に向けて訪問看護師が連携をとる職種はどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 地域で母子と障害児の在宅療養を支える保健師と連携する。

Aちゃんは2歳4か月で、人工呼吸器と気管切開を続けたまま自宅へ帰る医療的ケア児である。地域で必要になるのは、家庭訪問・母子保健・福祉サービスの調整をまとめて担う窓口である。

それにあたるのが市町村の保健師である。保健師は乳幼児健診や家庭訪問を通じて母子とつながり、医療・福祉・行政のあいだをつなぐ役割をもつ。

残る3つは、退院の時点でAちゃんに必要な役割を担わない。

医療的ケア児とは

人工呼吸器やたんの吸引、経管栄養などの医療的ケアを日常的に必要とする子ども。

  • 1

    保健師正解

    退院前のカンファレンスに加わってもらい、訪問看護師と情報を共有して在宅生活の体制を組み立てる。その後も家庭訪問で母子の様子を継続して見られる。

  • 2

    保育士不正解

    保育士は保育所などで子どもの保育を担う。Aちゃんが通園を始める段階では関わるが、退院の準備で中心になるのは地域の保健師である。

  • 3

    社会教育主事不正解

    社会教育主事は教育委員会に置かれ、公民館の講座など社会教育の企画や助言を行う職種で、担当するのは生涯学習の分野である。

  • 4

    介護支援専門員不正解

    介護支援専門員はケアプランを作る介護保険の職種で、対象は原則65歳以上(特定の病気がある人は40歳以上)。2歳4か月のAちゃんについては、相談支援専門員が福祉サービスの調整を担う。

📚 ここも一緒におさえておこう

医療的ケア児の支援は、どの法律が根拠でどこが窓口かを組にして問われる。「支援法があり、都道府県にセンターがある」と押さえよう。

  • 2021年に施行された医療的ケア児支援法で国と自治体の責務が定められ、都道府県に医療的ケア児支援センターが置かれた
  • 障害児が福祉サービスを使うときは、相談支援専門員が障害児支援利用計画を作る。介護保険の介護支援専門員とは別の職種
  • 保育所や学校でも医療的ケアを受けられるよう、看護師の配置など受け入れの体制づくりが進められている

参考: 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律/厚生労働省「医療的ケア児等への支援」

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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