第103回 看護師国家試験 午前 問72 解説
📝 問題
Aさん(75歳、男性)は、脳梗塞後遺症による右半身不全麻痺がある。妻と2人で暮らしている。Aさんは要介護3で、訪問介護と通所介護のサービスを利用している。今回、Aさんは誤嚥性肺炎で入院し、退院後に訪問看護が導入された。訪問看護師と介護支援専門員が連携して行う内容で優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 誤嚥性肺炎の再発を防ぐケアを整えることを優先する。
Aさんは誤嚥性肺炎で入院し、退院して自宅へ戻ったところである。麻痺があり、すでに訪問介護と通所介護を使っている。ここで訪問看護が加わった理由は、肺炎をくり返さないためである。
訪問看護師と介護支援専門員がまず取り組むのは、肺炎を防ぐケアを日々のサービスに組み込むことになる。口腔ケア、食事の形態と姿勢の調整、食後すぐに横にならないこと、嚥下の状態の観察を、訪問介護や通所介護の場面にも行き渡らせる。 命に直結する再発予防を先に固めてから、住まいの環境や介護負担の課題へ広げていく。
- 1
住宅改修の検討不正解
住宅改修は生活の安全を高める支援だが、住まいは入院前と変わっておらず、いま急ぐ課題ではない。
- 2
Aさんの妻の介護負担の把握不正解
妻の介護負担は継続して把握していく課題である。今回の入院の引き金は誤嚥性肺炎で、先に手を打つのはその再発予防になる。
- 3
肺炎予防に必要なケアの提供正解
口腔ケアや食事の姿勢・形態の調整など、肺炎を防ぐケアを訪問介護や通所介護にも共有し、日々の支援に組み込む。
- 4
訪問介護による生活援助内容の確認不正解
生活援助の内容の確認は計画の見直しに必要だが、確認そのものが肺炎を防ぐわけではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
誤嚥性肺炎は、退院後にくり返して在宅療養が続かなくなる代表的な原因である。「口の中をきれいに・気道へ入れない・逆流させない」の3つで予防を組み立てよう。 <在宅での誤嚥性肺炎の予防>
- 口の中の細菌を減らす=毎食後と就寝前の口腔ケア。義歯も外して洗う
- 食べ物を気道へ入れない=座位であごを引き、とろみをつけて飲み込みやすくする
- 胃の内容物を逆流させない=食後すぐに横にならず、しばらく上体を起こしておく
参考: 在宅看護論テキスト(多職種連携と在宅療養支援)/日本呼吸器学会 成人肺炎診療ガイドライン
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について