第103回 看護師国家試験 午前 問71 解説
📝 問題
現在の日本の精神医療について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 精神保健福祉センターは、各都道府県と政令指定都市に設置されている。
精神保健福祉センターは精神保健福祉法にもとづき、各都道府県と政令指定都市に置かれている。複雑な相談への対応、保健所や市町村への技術支援と研修、精神医療審査会の事務、自立支援医療(精神通院医療)と精神障害者保健福祉手帳の判定を担う、精神保健の専門機関である。
他の選択肢は、入院患者の内訳・病床数の位置づけ・手帳の役割がそれぞれ違う。 精神病床に入院している人で最も多いのは統合失調症で、うつ病ではない。 人口当たりの精神病床数は、経済協力開発機構(OECD〈オーイーシーディー〉)加盟国の中で日本が最も多い。出題された2014年から現在まで変わっていない。 外来通院の医療費の負担を軽くするのは自立支援医療(精神通院医療)で、手帳のほうは税の控除や運賃の割引などに使う。
OECD〈オーイーシーディー〉とは
日本を含む先進国が中心の国際機関。加盟国の統計を同じ物差しでそろえ、国どうしを比べられるようにしている。
- 1
精神及び行動の障害で入院した患者で最も多いのはうつ病である。不正解
精神病床に入院している人で最も多いのは統合失調症で、次いで認知症が多い。うつ病などの気分障害は外来での治療が中心になる。
- 2
人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中では低い水準である。不正解
逆。日本の精神病床数は人口当たりでみると加盟国の中で突出して多く、低い水準ではない。
- 3
各都道府県及び政令指定都市に精神保健福祉センターが設置されている。正解
精神保健福祉センターは各都道府県と政令指定都市に置かれ、専門的な相談と、保健所や市町村への技術支援を担う。
- 4
精神障害者保健福祉手帳制度によって外来通院の医療費の給付が行われる。不正解
精神障害者保健福祉手帳で受けられるのは税の控除や公共料金の割引などである。外来通院の医療費を軽くするのは自立支援医療(精神通院医療)にあたる。
📚 国試でよく狙われるところ
精神保健の機関は、どこが何をするかを入れ替えて問われる。身近な窓口は市町村、地域の対策は保健所、専門的な支援はセンター、と3段階で覚えよう。
| 機関 | 主な役割 |
|---|---|
| 市町村 | 身近な相談窓口。自立支援医療と精神障害者保健福祉手帳の申請受付、福祉サービスの利用調整 |
| 保健所 | 地域の精神保健の中心。訪問指導、社会復帰の支援、措置入院にかかわる事務 |
| 精神保健福祉センター | 都道府県・政令指定都市に設置。こみいった相談への対応と、保健所・市町村への技術支援 |
参考: 精神保健福祉法/厚生労働省 精神保健医療福祉の現状
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について