第103回 看護師国家試験 午前 問34 解説
📝 問題
腎盂腎炎について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 腎盂腎炎では肋骨脊柱角の叩打痛がみられる。
腎盂腎炎は、膀胱から尿管をさかのぼった細菌が腎盂と腎実質に感染して起こる。 高熱・悪寒とともに、背中側の肋骨脊柱角を軽くたたくと痛みが響く。腎臓がちょうどこの位置にあるためで、膀胱炎と見分ける手がかりになる。
さかのぼる感染なので、ふつうは片側だけに起こる。 原因菌は腸から来る大腸菌が最も多く、尿の培養には尿道の菌が混じらない中間尿を用いる。
肋骨脊柱角とは
背中側で、いちばん下の肋骨と背骨が作る角。この奥に腎臓がある。
- 1
両腎性である。不正解
腎盂腎炎は尿路をさかのぼる感染なので、多くは片側の腎臓だけに起こる。
- 2
初尿を用いて細菌培養を行う。不正解
初尿には尿道にいる常在菌が混じる。培養には出はじめを捨てた中間尿を使う。
- 3
肋骨脊柱角の叩打痛が特徴である。正解
腎臓は背中側の肋骨脊柱角のすぐ内側にあり、たたくと痛みが響く。膀胱炎ではこの痛みは出ない。
- 4
原因菌はGram〈グラム〉陽性球菌が多い。不正解
逆。原因菌の多くは腸内にいるグラム陰性桿菌で、なかでも大腸菌が最も多い。
📚 混同しやすいので注意
尿路感染症は、上(腎盂腎炎)と下(膀胱炎)のどちらかを症状で選ばせる形で問われる。発熱の有無で切り分けよう。
- 腎盂腎炎は高熱・悪寒・腰背部痛を伴い、全身の症状が前に出る
- 膀胱炎は排尿時痛・頻尿・残尿感が中心で、発熱しないのがふつう。熱が出たら腎盂腎炎を疑う
- 女性に多いのは尿道が短く肛門に近いためで、水分を十分にとることと排尿を我慢しないことが予防になる
参考: 系統看護学講座 成人看護学 腎・泌尿器/JAID/JSC 感染症治療ガイドライン
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について