第115回 看護師国家試験 午後 問77 解説
📝 問題
精子形成の過程を図に示す。(別紙参照)染色体が2倍体(2n)から1倍体(n)になるのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 公式に正答とされるのは④の減数第二分裂。ただし図では③が減数第一分裂にあたるため、下記の注意書きを必ず読むこと。
精子形成は精祖細胞(2n)→一次精母細胞(2n)→二次精母細胞(n)→精子細胞(n)→精子(n)と進む。
図の矢印は、①=始原生殖細胞から精祖細胞、②=精祖細胞から一次精母細胞、③=一次精母細胞から二次精母細胞、④=二次精母細胞から精子細胞、⑤=精子細胞から精子への変化を指している。
教科書的には、染色体の本数が46本(2n)から23本(n)へ半減するのは減数第一分裂であり、これは図の③にあたる。続く減数第二分裂(④)では姉妹染色分体が分かれるだけで、染色体数はnのまま変わらない。
一方で、細胞あたりのDNA量で見ると、減数第一分裂を終えた二次精母細胞はまだ各染色体が2本の染色分体をもつ状態であり、DNA量が完全に半分になるのは減数第二分裂(④)を終えたときである。公式正答が④とされているのは、この「DNA量」で捉えた場合の解釈と考えられる。
- 1
①不正解
①は始原生殖細胞から精祖細胞への変化で、減数分裂ではない。染色体数は2nのまま。
- 2
②不正解
②は精祖細胞から一次精母細胞への変化。DNAの複製は起こるが染色体の本数は2nのまま。
- 3
③不正解
③は減数第一分裂。染色体の本数でみれば46本(2n)から23本(n)へ半減するのはここ。公式に正答とされるのは④だが、本数で考えた学習者はここを選びやすい。
- 4
④正解
④は減数第二分裂。姉妹染色分体が分かれ、細胞あたりのDNA量が半分になる。これが公式に正答とされている。
- 5
⑤不正解
⑤は精子細胞から精子への形態変化(精子完成)で、分裂ではない。染色体数は変わらない。
📚 関連知識
卵子形成でも染色体数が半減するのは減数第一分裂だが、精子形成が1個の一次精母細胞から4個の精子をつくるのに対し、卵子形成では細胞質が不均等に分配され、1個の一次卵母細胞から1個の卵子と極体ができる点が異なる。精子形成は思春期以降に始まり生涯続くが、卵子形成では胎児期にすべての一次卵母細胞がつくられ、以後は減数第一分裂の途中で停止したまま排卵時まで待機する。
| 段階 | 染色体数 | 起こること |
|---|---|---|
| 精祖細胞(精原細胞) | 2n(46本) | 体細胞分裂で数を増やす |
| 一次精母細胞 | 2n(46本) | DNAを複製し、減数第一分裂に入る |
| 二次精母細胞 | n(23本) | 減数第一分裂を終えた細胞。ただちに第二分裂へ進む |
| 精子細胞 | n(23本) | 減数第二分裂を終えた細胞 |
| 精子 | n(23本) | 精子完成(頭部・中片部・尾部に分化) |
参考: 系統看護学講座 解剖生理学(生殖器系)/標準組織学・発生学(精子形成)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について