第115回 看護師国家試験 午後 問75 解説
📝 問題
2つ以上の核を持つ細胞はどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 骨格筋細胞(骨格筋線維)は多数の核をもつ多核細胞である。
ヒトの細胞は原則として核を1個もつが、骨格筋細胞(骨格筋線維)は例外で、1本の筋線維に数百個の核が細胞膜のすぐ内側に並ぶ多核細胞である。 発生の過程で多数の筋芽細胞が融合して1本の長い線維になるため、融合した細胞の核がそのまま残るのがその理由である。
ほかの選択肢はいずれも単核である。単球は名前のとおり単核で、そら豆形〜馬蹄形の核を1個もつ。 好中球は核が2〜5葉にくびれた「分葉核」だが、細い糸で連なった1個の核であって多核ではない。神経細胞も卵母細胞も核は1つである。
多核の細胞としてはほかに破骨細胞(骨を吸収する多核巨細胞)が代表的で、心筋細胞は1〜2核である。逆に、成熟赤血球と血小板は核をもたない。
- 1
単球不正解
単球は文字どおり単核の白血球で、そら豆形〜馬蹄形の大きな核を1個もつ。血管外に遊走するとマクロファージに分化する。
- 2
好中球不正解
好中球の核は2〜5個の葉に分かれた分葉核だが、葉と葉は細いクロマチン糸でつながっており核は1個である。分葉が多いほど成熟した好中球で、桿状核球が増えること(核の左方移動)は急性の細菌感染を示唆する。
- 3
神経細胞不正解
神経細胞(ニューロン)の核は1個で、細胞体の中央に大きな核小体を伴って存在する。長い軸索をもつ点が特徴だが、核が増えることはない。
- 4
卵母細胞不正解
卵母細胞も核は1個である。一次卵母細胞は減数第一分裂の前期で停止しており、卵核胞と呼ばれる大きな核をもつが単核である。
- 5
骨格筋細胞正解
骨格筋細胞(骨格筋線維)は、発生時に多数の筋芽細胞が融合してできた合胞体で、1本の線維に数百個の核が細胞膜直下に並ぶ多核細胞である。長さが数cmに及ぶこともあり、ヒトの細胞のなかでも特殊な形態をもつ。
📚 国試でよく狙われるところ
細胞は、核の数(多核・単核・無核)を入れ替えて問われる。下の表で細胞と核を対にして覚えよう。 筋組織の3種類は、核の数のほかに横紋の有無と随意性でも区別する。 骨格筋=横紋あり・随意筋、心筋=横紋あり・不随意筋、平滑筋=横紋なし・不随意筋である。
| 細胞 | 核 |
|---|---|
| 骨格筋線維 | 多核(筋芽細胞の融合による合胞体) |
| 破骨細胞 | 多核(単球・マクロファージ系の細胞が融合) |
| 心筋細胞 | 1〜2核(介在板で隣接細胞と連結) |
| 平滑筋細胞 | 単核(紡錘形) |
| 好中球 | 単核(2〜5葉の分葉核) |
| 成熟赤血球 | 無核(脱核してヘモグロビンを詰め込む) |
| 血小板 | 無核(巨核球の細胞質がちぎれた断片) |
参考: 系統看護学講座 解剖生理学(筋組織・血液)/標準生理学
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について