第115回 看護師国家試験 午後 問64 解説

一般母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

一般不妊治療はどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 人工授精は一般不妊治療に含まれる。

不妊治療は一般不妊治療と生殖補助医療〈ART〉に大別される。一般不妊治療は自然な受精の過程を助ける治療で、タイミング法・排卵誘発法・人工授精が含まれる。 人工授精は調整した精子を排卵期に子宮腔内へ注入する方法で、受精そのものは卵管内で体内に起こる。

これに対して生殖補助医療は、卵子を体外に取り出して扱う治療の総称で、体外受精・顕微授精・胚移植が該当する。 設問の4つのうち一般不妊治療にあたるのは人工授精だけである。

2022年4月から、人工授精等の一般不妊治療と体外受精・顕微授精等の生殖補助医療がいずれも保険適用となった(生殖補助医療は治療開始時の女性の年齢が43歳未満で、回数の上限がある)。

  • 1

    胚移植不正解

    胚移植〈ET〉は、体外で受精させて培養した胚を子宮内に戻す手技で、生殖補助医療の最終段階にあたる。

  • 2

    顕微授精不正解

    顕微授精〈ICSI〉は、細いガラス針で精子1個を卵子の細胞質内に直接注入する方法で、生殖補助医療に分類される。重度の男性不妊や、体外受精で受精しなかった場合に選択される。

  • 3

    人工授精正解

    人工授精〈AIH〉は、洗浄・濃縮した精子を排卵の時期に合わせて子宮腔内に注入する方法である。卵子を体外に取り出さず受精は体内で起こるため、一般不妊治療に分類される。

  • 4

    体外受精不正解

    体外受精〈IVF〉は、採卵した卵子と精子を体外の培養液中で受精させる方法で、生殖補助医療の中心となる治療である。

📚 混同しやすいので注意

不妊治療は、治療名がどちらの分類に入るかを入れ替えて問われる。卵子を体外に取り出すかどうかで見分けよう。 不妊とは、妊娠を望む男女が避妊をせずに性交しているにもかかわらず1年間妊娠しない状態をいう(日本産科婦人科学会)。 検査や治療を受けたことのある夫婦は約4.4組に1組にのぼる。 一般不妊治療から段階的に生殖補助医療へ進める(ステップアップ)のが基本だが、年齢や原因によっては早期にARTを選択する。

不妊治療の分類
分類治療法内容
一般不妊治療タイミング法排卵日を予測して性交の時期を合わせる
一般不妊治療排卵誘発法内服薬・注射で排卵を促す
一般不妊治療人工授精〈AIH〉調整した精子を子宮腔内へ注入する
生殖補助医療〈ART〉体外受精〈IVF〉採卵し、体外で精子と受精させる
生殖補助医療〈ART〉顕微授精〈ICSI〉精子1個を卵子に直接注入する
生殖補助医療〈ART〉胚移植〈ET〉培養した胚を子宮内に戻す

参考: 日本産科婦人科学会「不妊症」の定義/厚生労働省「不妊治療の保険適用について」(2022年4月)/国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年)

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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