第115回 看護師国家試験 午後 問62 解説
📝 問題
Aちゃん(4歳、女児)は1か月前から発熱が続いており、大学病院に紹介され入院した。静脈麻酔で鎮静して骨髄穿刺を行うこととなった。検査に際して適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 上後腸骨棘から穿刺するときは腹臥位をとる。
骨髄穿刺は、骨髄腔に針を刺して骨髄液を吸引し、造血の状態や白血病細胞の有無を調べる検査である。 小児では上後腸骨棘(腸骨の背側)が第一選択で、術者が背側から穿刺できるように腹臥位(下腹部に枕を入れて腰部をやや持ち上げる)をとらせる。側臥位で行うこともあるが、いずれも背側を術者に向ける体位である。
骨髄液は骨の表面を覆う骨膜ではなく、海綿骨の内部にある骨髄腔から採取する。 穿刺後は消毒ではなく滅菌ガーゼによる5分以上の圧迫止血が最優先で、その後の安静は1〜2時間程度で足りる。腰椎穿刺のような長時間の水平臥床は必要ない。
Aちゃんは4歳で静脈麻酔による鎮静下に行うため、手技そのものに加えて鎮静中の呼吸・循環の監視が重要になる。
- 1
穿刺部位が上後腸骨棘のとき、体位は腹臥位である。正解
上後腸骨棘は骨盤の背側にあるため、術者が穿刺しやすいように腹臥位をとる。下腹部に枕を挿入して腰部をやや持ち上げると穿刺部位が突出して刺入しやすい。側臥位で行う場合も背中を術者に向ける。
- 2
骨髄液は骨膜から採取される。不正解
骨髄液があるのは海綿骨の内部にある骨髄腔である。骨膜は骨の表面を覆う結合組織の膜で、造血組織ではない。針は皮膚→皮下→骨膜→皮質骨を貫いて骨髄腔に到達させる。
- 3
穿刺直後の穿刺部位はヨード系消毒薬で消毒する。不正解
穿刺直後に最優先すべきは滅菌ガーゼによる圧迫止血(5分以上、血小板減少があればさらに長く)である。消毒は穿刺前に行うもので、穿刺直後に消毒液を塗ることは止血を妨げ創部の刺激にもなる。
- 4
検査終了後12時間は水平仰臥位を保つ。不正解
骨髄穿刺後の安静は、圧迫止血のうえ1〜2時間程度でよく、12時間の水平仰臥位は不要である。長時間の水平臥床が必要とされるのは、髄液の漏出による頭痛を防ぐ目的で行う腰椎穿刺後(現在は1〜2時間程度)である。
📚 混同しやすいので注意
小児の血液疾患では骨髄穿刺と腰椎穿刺がセットで行われることが多く、部位・体位・検査後の安静が入れ替えて問われる。2つを対にして覚えよう。
| 項目 | 骨髄穿刺 | 腰椎穿刺 |
|---|---|---|
| 目的 | 造血の評価、白血病細胞の検出 | 髄液検査、中枢神経浸潤の評価、髄注 |
| 部位 | 小児は上後腸骨棘(乳児では脛骨も)/成人は後腸骨稜・胸骨 | 第3〜4/第4〜5腰椎間(脊髄円錐より下) |
| 体位 | 腹臥位(または側臥位) | 側臥位で膝を抱え背を丸める |
| 採取するもの | 骨髄液(骨髄腔) | 脳脊髄液(くも膜下腔) |
| 検査後 | 5分以上の圧迫止血、1〜2時間の安静 | 1〜2時間の水平臥床、頭痛・嘔気の観察 |
参考: 系統看護学講座 小児看護学(検査・処置を受ける小児の看護)/日本小児血液・がん学会「小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン」(骨髄検査の手技)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について