第115回 看護師国家試験 午後 問6 解説
📝 問題
胎児の卵円孔の位置で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 卵円孔は右心房と左心房の間にある。
胎児は肺で呼吸をしないため、肺循環を迂回する3つの短絡(シャント)をもつ。そのひとつが心房中隔にある卵円孔で、右心房から左心房へ血液を流し、肺を通さずに左心系へ酸素の多い血液を送る。残る2つは、肺動脈と大動脈をつなぐ動脈管(ボタロー管)と、臍静脈からの血液を肝臓を迂回させて下大静脈へ導く静脈管(アランチウス管)である。
出生して肺呼吸が始まると肺血管抵抗が下がり、左心房圧が右心房圧を上回るため卵円孔は機能的に閉鎖し、やがて卵円窩という痕跡になる。
- 1
右心室と左心室の間不正解
ここに交通があるのは心室中隔欠損症。先天性心疾患のうち最も頻度が高いが、胎児期の生理的な短絡ではない。
- 2
右心房と左心房の間正解
正しい。心房中隔にあり、下大静脈から戻った酸素の多い血液を左心房へ送る。
- 3
肺動脈と大動脈の間不正解
これは動脈管(ボタロー管)の位置。出生後に閉じずに残ると動脈管開存症になる。
- 4
臍静脈と下大静脈の間不正解
これは静脈管(アランチウス管)の位置。肝臓を迂回して下大静脈へ短絡する。
📚 関連知識
- 臍帯は臍静脈1本・臍動脈2本の計3本。臍「静脈」に動脈血が流れる点が紛らわしい
- 胎児で酸素飽和度が最も高い血液は臍静脈を流れる
| 胎児期の構造 | 部位・役割 | 出生後の名称 |
|---|---|---|
| 卵円孔 | 右心房 → 左心房 | 卵円窩 |
| 動脈管(ボタロー管) | 肺動脈 → 大動脈 | 動脈管索 |
| 静脈管(アランチウス管) | 臍静脈 → 下大静脈 | 静脈管索 |
| 臍静脈 | 胎盤 → 胎児(酸素の多い血液) | 肝円索 |
| 臍動脈 | 胎児 → 胎盤(酸素の少ない血液) | 臍動脈索 |
参考: 系統看護学講座 人体の構造と機能
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について