第115回 看護師国家試験 午前 問9 解説
📝 問題
乳児期と比べて学童期にみられる身体生理機能の変化はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 乳児期から学童期にかけて血圧は上昇する
成長に伴い、循環血液量と心拍出量が増え血管も長くなるため、血圧は上昇する。収縮期血圧の目安は乳児で80〜90mmHg、学童では100〜110mmHg程度になる。逆に脈拍数と呼吸数は年齢とともに減少する(乳児の脈拍110〜130回/分・呼吸30〜40回/分が、学童では脈拍80〜90回/分・呼吸18〜20回/分に)。
ほかの選択肢はいずれも変化の向きが逆である。胃容量も膀胱容量も体格の成長とともに増加し、呼吸様式は乳児の腹式呼吸から2〜3歳で胸腹式、7歳ごろから胸式へと移行していく。
- 1
血圧の上昇正解
正しい。血圧は成長とともに上昇し、学童期には収縮期100〜110mmHg程度になる。同時に脈拍数・呼吸数は減少する。
- 2
胃容量の減少不正解
逆で、胃容量は増加する。新生児は約50mLしかないため頻回の授乳が必要で、噴門の括約機能も未熟なため溢乳しやすい。成長とともに容量が増え、授乳・食事の回数は減る。
- 3
膀胱容量の減少不正解
逆で、膀胱容量も増加する。乳児は約50〜100mLで1日15〜20回排尿するが、学童では200〜300mLためられるようになり回数は5〜6回に減る。排尿の自立は膀胱容量の増加と抑制機構の成熟による。
- 4
腹式呼吸への移行不正解
移行の向きが逆。乳児が腹式呼吸で、胸郭と肋間筋の発達に伴い2〜3歳で胸腹式、7歳ごろから胸式へ移行する。乳児は横隔膜に依存するため、腹部膨満で容易に呼吸が苦しくなる。
📚 関連知識
- 小児の体液は成人より水分の割合が高く(新生児は体重の約80%、成人は約60%)、細胞外液の割合が大きいため脱水になりやすい。
- 小児の気道は細く、わずかな浮腫でも著しく抵抗が増す。喉頭は成人より高位にある。
- 腎機能(糸球体濾過量)は1〜2歳で成人とほぼ同等になる。
| 年齢 | 脈拍(回/分) | 呼吸(回/分) | 収縮期血圧(mmHg) |
|---|---|---|---|
| 新生児 | 120〜140 | 40〜50 | 60〜80 |
| 乳児 | 110〜130 | 30〜40 | 80〜90 |
| 幼児 | 100〜110 | 20〜30 | 90〜100 |
| 学童 | 80〜90 | 18〜20 | 100〜110 |
| 成人 | 60〜80 | 16〜18 | 110〜130 |
参考: 厚生労働省「乳幼児身体発育調査」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について