第115回 看護師国家試験 午前 問89 解説

一般母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

常位胎盤早期剝離のリスク因子はどれか。2つ選べ。

✅ 正解

4・5

💡 解説

✅ 妊娠高血圧症候群と常位胎盤早期剝離の既往がリスク因子。

常位胎盤早期剝離は、正常な位置にある胎盤が児の娩出前に子宮壁から剝がれてしまう病態で、母児ともに危険な産科救急である。

最も重要なリスク因子が妊娠高血圧症候群。母体の血管病変(らせん動脈の障害)が脱落膜の出血と剝離を招く。 また一度発症した人の再発率は5〜15%と報告されており、既往も強いリスク因子になる。

このほか喫煙・外傷(腹部打撲)・絨毛膜羊膜炎・前期破水も因子として押さえておきたい。

  • 1

    経産婦不正解

    経産婦であること自体は確立したリスク因子ではない。多産は前置胎盤のリスク因子として挙げられる。

  • 2

    妊娠糖尿病不正解

    妊娠糖尿病は巨大児・肩甲難産・新生児低血糖などと関連するが、常位胎盤早期剝離の主要なリスク因子ではない。

  • 3

    帝王切開術の既往不正解

    帝王切開術の既往は、前置胎盤・癒着胎盤や子宮破裂のリスクを高める因子である。

  • 4

    妊娠高血圧症候群正解

    正しい。妊娠高血圧症候群は母体の血管病変を介して脱落膜の出血・剝離を招く、最も重要なリスク因子である。

  • 5

    常位胎盤早期剝離の既往正解

    正しい。一度発症した人は次回妊娠での再発率が高く(5〜15%と報告される)、既往は強いリスク因子になる。

📚 混同しやすいので注意

妊娠後期の出血は、常位胎盤早期剝離と前置胎盤の見分けが要になる。痛みがあるか、子宮が硬いかが決め手。

常位胎盤早期剝離と前置胎盤の鑑別
項目常位胎盤早期剝離前置胎盤
出血暗赤色。子宮内にたまって外に出る量が少ないこともある鮮紅色・無痛性で繰り返す
腹痛持続する強い腹痛なし
子宮板状硬(強い緊満)軟らかい
胎児心拍異常が出やすい(徐脈・基線細変動の消失)初期は保たれることが多い
内診超音波と全身状態の評価を優先内診は禁忌(大量出血を招く)
主な合併症播種性血管内凝固(DIC)、出血性ショック、胎児死亡出血性ショック、癒着胎盤

参考: 産婦人科診療ガイドライン 産科編(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会)/系統看護学講座 母性看護学各論

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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