第115回 看護師国家試験 午前 問85 解説
📝 問題
薬剤の形状として貼付剤があるのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・4
💡 解説
✅ 貼付剤があるのはフェンタニルとニトログリセリン。
貼付剤(経皮吸収型製剤)は皮膚から薬を吸収させる剤形である。利点は2つ。 ・血中濃度を長時間一定に保てる ・消化管を通らないので、嚥下が難しい人にも使える
向いているのは分子量が小さく脂溶性が高い薬物で、フェンタニル(がん疼痛などに使う強オピオイド)とニトログリセリン(狭心症発作の予防)はどちらも貼付剤が市販されている。
- 1
インスリン不正解
インスリンは分子量の大きいペプチドホルモンで、皮膚を通過できない。皮下注射で投与する。
- 2
アドレナリン不正解
アドレナリンは筋注・静注や吸入で用いる。即効性が要る場面の薬なので、貼付剤には向かない。
- 3
フェンタニル正解
正しい。フェンタニル貼付剤(1日用・3日用)があり、続く慢性疼痛やがん疼痛に用いる。医療用麻薬として厳重に管理する。
- 4
ニトログリセリン正解
正しい。ニトログリセリン貼付剤があり、狭心症発作の予防に用いる。発作時の頓用には舌下錠・スプレーを使う。
- 5
アセトアミノフェン不正解
アセトアミノフェンは錠剤・シロップ・坐薬・注射で用いられ、貼付剤はない。
📚 国試でよく狙われるところ
貼付剤は、どの薬にあるかと、貼るときの注意点の両方が問われる。
- 貼付部位は毎回変え、発赤・かぶれがないか観察する。
- フェンタニル貼付部を温める(入浴・電気毛布・発熱)と吸収が増え、過量投与になる。
- 使用済みの貼付剤にも薬剤が残る。医療用麻薬は回収して適切に廃棄する。
- 除細動のときは貼付剤を剝がす(熱傷や通電の妨げになる)。
| 薬剤 | 用途 |
|---|---|
| フェンタニル | がん疼痛・慢性疼痛(強オピオイド) |
| ニトログリセリン・硝酸イソソルビド | 狭心症発作の予防 |
| ツロブテロール | 気管支拡張(喘息・慢性閉塞性肺疾患) |
| リバスチグミン | アルツハイマー型認知症 |
| ロチゴチン | パーキンソン病、レストレスレッグス症候群 |
| エストラジオール | 更年期障害のホルモン補充療法 |
| ニコチン | 禁煙補助 |
| スコポラミン | 乗り物酔い・分泌抑制 |
参考: がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(日本緩和医療学会)/各製剤の添付文書
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について