第115回 看護師国家試験 午前 問60 解説
📝 問題
正期産で出生した健康な乳児で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 乳児は下部食道括約筋が未熟で胃も水平位に近いため、学童と比べて胃食道逆流現象が起きやすい。
乳児は下部食道括約筋の働きが未熟で、胃が水平位に近く容量も小さい。そのため学童と比べて、胃の内容が食道へ逆流しやすい(溢乳)。
授乳のあとに排気(げっぷ)をさせたり、上体を挙げた体位をとったりするのは、このためである。
- 1
出生36時間後に初めて胎便が排泄される。不正解
胎便は生後24時間以内に排泄されるのが正常。24時間を過ぎても出ない場合は鎖肛や消化管閉鎖、Hirschsprung(ヒルシュスプルング)病などを疑って報告する。
- 2
学童と比べて胃食道逆流現象が起きやすい。正解
正しい。下部食道括約筋が未熟で、胃が水平位に近く容量も小さいため逆流しやすい。勢いのない溢乳は生理的な現象である。
- 3
母乳栄養児では生後3か月以降も生理的な黄疸が遷延する。不正解
生理的黄疸は生後7〜10日で消えていく。母乳栄養児で長引く場合でも通常は生後1〜2か月ごろまでで、3か月以降も続く黄疸は胆道閉鎖症などの病的黄疸を疑う。
- 4
経腟分娩で出生した児の腸内細菌叢はDöderlein〈デーデルライン〉桿菌が優勢である。不正解
Döderlein(デーデルライン)桿菌は腟内の常在菌(乳酸桿菌)で、腟の自浄作用を担う。経腟分娩児の腸内細菌叢で優勢になるのはビフィズス菌である。
📚 一緒に確認しよう
新生児期は「いつ・どれくらい」という数字がそのまま問われる。時期とセットで覚える。 吐き方や便の様子は、生理的なものと病的なものの見分けが問われる。
- 溢乳は勢いなく口からあふれるもので生理的。噴水状嘔吐は肥厚性幽門狭窄症などを疑う。
- 母乳栄養児の便は黄色〜緑黄色で軟らかく、酸臭がある。ビフィズス菌が優勢な腸内細菌叢を映している。
- 便が白色・淡黄色(灰白色)のときは胆道閉鎖症を疑い、母子健康手帳の便色カードで確認する。
| 項目 | 時期・数値 |
|---|---|
| 胎便の排泄 | 生後24時間以内(暗緑色・粘稠・無臭) |
| 移行便 | 生後3〜5日ごろ |
| 生理的体重減少 | 出生体重の5〜10%減少。生後3〜5日に最低となり、7〜10日で出生体重に戻る |
| 生理的黄疸 | 生後2〜3日に出現、4〜5日ごろピーク、7〜10日で消退 |
| 早発黄疸 | 生後24時間以内に出現する黄疸は病的(血液型不適合など) |
参考: 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」/母子健康手帳(便色カード)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について