第115回 看護師国家試験 午前 問46 解説
📝 問題
ノーリフトケアに該当するのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ ノーリフトケアは福祉用具を使って抱え上げない介助。スライディングシートの使用が該当する。
ノーリフトケア(ノーリフティングポリシー)は、人の力だけで患者を持ち上げない・抱え上げないという考え方である。 代わりに福祉用具を使って移乗・移動を行う。
国の職場における腰痛予防対策指針でも、移乗介助では原則として人力による抱え上げは行わせないとされている。
- 1
車椅子の後ろから患者を抱えて座位を整える。不正解
車椅子の後ろから抱えて引き上げる動作は、介助者の腰に大きな負担がかかる典型的な抱え上げ介助である。
- 2
患者を抱きかかえてポータブルトイレに移動する。不正解
抱きかかえての移乗は、介助者の腰痛だけでなく患者の落下や皮膚剝離(スキン-テア)のリスクも高い。
- 3
スライディングシートを使って患者をベッド上で移動する。正解
正しい。スライディングシートは摩擦を減らして滑らせる用具で、持ち上げずに水平移動できる。
- 4
ボディメカニクスを活用してベッド上で患者の上体を起こす。不正解
ボディメカニクスは介助者の負担を減らす有用な技術だが、人力で持ち上げることに変わりはないため該当しない。
📚 これとセットで理解しよう
ノーリフトケアは1998年にオーストラリアの看護連盟が提唱した考え方。 看護職・介護職の腰痛予防と、患者の安全確保の両方が目的である。
- 主な用具=スライディングシート(水平移動)、スライディングボード(座位のまま横移動)、床走行式・据置式・天井走行式リフト、スタンディングリフト。
- 腰痛は業務上疾病のうち最も多く、なかでも保健衛生業(看護・介護)で多い。
- ボディメカニクスは否定されるものではない。福祉用具と併用して、介助者の負担をさらに減らすために使う。
参考: 厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について