第115回 看護師国家試験 午前 問21 解説
📝 問題
静脈血採血で針を刺入した直後に、患者にしびれがないかを確認する目的はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 刺入直後のしびれの確認は神経損傷を防ぐため。
採血をする肘窩では、静脈のすぐ近くを正中神経や前腕皮神経が走っている。針が神経に触れると、刺した直後に電撃痛・しびれ・手指への放散痛が走る。
刺入直後に「ビリッとしびれませんか」と確認し、訴えがあれば直ちに抜針する。そのまま針を進めたり探ったりすると、複合性局所疼痛症候群〈CRPS(シーアールピーエス)〉のような治りにくい神経障害を残すおそれがある。
- 1
感染症の予防不正解
しびれの有無から感染はわからない。感染予防は消毒と十分な乾燥、単回使用の器材、手指衛生で行う。
- 2
神経損傷の予防正解
正しい。刺入直後のしびれ・電撃痛は神経に針が触れたサインで、すぐ抜針すれば重症化を防げる。
- 3
皮下血腫の予防不正解
皮下血腫は針が血管を貫通したり、抜針後の圧迫が足りないときに生じる。予防は抜針後5分程度の圧迫。
- 4
血管迷走神経反応の予防不正解
血管迷走神経反応は不安や痛みが引き金で、顔面蒼白・冷汗・悪心・血圧低下・徐脈が出る。予防は臥位での採血や声かけ。
📚 ここも一緒におさえておこう
神経損傷を避けるには、そもそも神経や動脈から離れた血管を選ぶことが大切。 採血は、選ぶ血管・避ける部位・針の扱いがひと組で問われる。
- 橈側皮静脈は外側前腕皮神経、尺側皮静脈は内側前腕皮神経と上腕動脈が近く、損傷のリスクが高い。
- 採血を避ける部位=麻痺側、透析シャント側、乳房切除術を受けた側の上肢、輸液中の血管、感染・熱傷のある部位。
- 使用済み針のリキャップは禁止。専用の耐貫通性容器へそのまま捨てる。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 第一選択の血管 | 肘正中皮静脈 |
| 駆血帯の位置 | 穿刺部位から7〜10cm中枢側 |
| 駆血時間 | 1分以内(長いとK・LDなどが上昇する) |
| 刺入角度 | 10〜30度 |
| 抜針後の圧迫 | 5分程度、もまずに圧迫 |
参考: 日本臨床検査標準協議会「標準採血法ガイドライン(GP4)」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について