第115回 看護師国家試験 午前 問19 解説
📝 問題
医療者間のコミュニケーションのエラーを防ぐために適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 伝えられた情報は復唱して相互に確認する(リードバック)。
医療事故の多くは、指示や情報の伝達エラーから起こる。基本の対策が復唱(リードバック)である。受け手が聞き取った内容を声に出して繰り返し、送り手がそれを確かめることで、聞き間違い・言い間違いをその場で見つけられる。
与薬の指示は原則として文書(オーダリング)で出す。やむを得ず口頭で行うときは、メモに書き取って復唱し、あとで必ず書面で確認する。
- 1
薬剤の単位は省略する。不正解
単位の省略は禁忌。mgとmL、gとmgの取り違えは10倍・1,000倍の過量投与につながる。
- 2
与薬の指示は口頭で行う。不正解
口頭指示は記録が残らず聞き間違いが起こりやすい。緊急時にやむを得ず用いるものである。
- 3
伝えられた情報の内容を復唱し確認し合う。正解
正しい。復唱すれば、受け手の聞き間違いも送り手の言い間違いもその場で見つかる。
- 4
伝えられた情報の不明点に関する質問は控える。不正解
逆で、不明点は必ず確認する。質問しにくい空気(権威勾配)こそエラーの温床になる。
📚 国試でよく狙われるところ
医療安全は、報告の型と、事故に関する用語の区別が繰り返し問われる。 報告の型はSBAR(エスバー)=Situation(状況)・Background(背景)・Assessment(評価)・Recommendation(提案)。 この4つの順で伝える。
- インシデント(ヒヤリ・ハット)は患者に影響が及ばなかった事例、アクシデントは実際に害が生じた事例。報告は責任追及ではなく、仕組みを直すために行う。
- ハインリッヒの法則=1件の重大事故の背後に29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットがある。
- 患者確認は氏名だけでなく、生年月日やリストバンドなど2つ以上の識別子で行う(部屋番号・ベッド番号は識別子にしない)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Right Patient | 正しい患者(2つ以上の識別子で確認) |
| Right Drug | 正しい薬剤(似た名前・似た容器に注意) |
| Right Purpose | 正しい目的 |
| Right Dose | 正しい用量(単位・小数点を確認) |
| Right Route | 正しい用法・経路 |
| Right Time | 正しい時間 |
参考: 日本医療機能評価機構「医療事故情報収集等事業」/WHO「Patient Safety Curriculum Guide」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について