第115回 看護師国家試験 午前 問17 解説
📝 問題
免疫抑制作用があるのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 免疫抑制作用をもつのは副腎皮質ステロイド。
副腎皮質ステロイド(糖質コルチコイド)は、炎症性サイトカインの産生を抑え、リンパ球やマクロファージの働きを抑える。この強い抗炎症作用と免疫抑制作用を利用して、膠原病・ネフローゼ症候群・気管支喘息・炎症性腸疾患・移植後の拒絶反応の抑制など、幅広く使われる。
体の外からステロイドが入ると副腎自身の分泌が抑えられるため、自己判断での急な中止は禁忌。副腎不全(離脱症候群)を招く。
膠原病とは
自分の免疫が自分の体を攻撃してしまう病気のまとまり。関節リウマチや全身性エリテマトーデスが代表。
- 1
抗ヒスタミン薬不正解
抗ヒスタミン薬はヒスタミンH1受容体を遮断してアレルギー症状を抑える薬。免疫そのものは抑えない。
- 2
インターフェロン不正解
インターフェロンはNK細胞やマクロファージを活性化するサイトカイン製剤。抑制ではなく増強する。
- 3
ヒト免疫グロブリン不正解
ヒト免疫グロブリンは抗体を補充する血漿分画製剤。受動免疫で感染防御を助ける。
- 4
副腎皮質ステロイド正解
正しい。副腎皮質ステロイドが代表的な免疫抑制薬である。
📚 国試でよく狙われるところ
免疫に働く薬は「抑える・強める・補う」のどれかで整理する。 ステロイドは、長く使ったときの副作用と使い方の注意が頻出。
- 長期投与の副作用=易感染性・ステロイド糖尿病・骨粗鬆症・消化性潰瘍・満月様顔貌・中心性肥満・不眠や精神症状・白内障・緑内障・小児の成長障害。
- 体内の分泌リズムに合わせ、朝1回(または朝多め)に投与すると副腎の抑制が少ない。
- 免疫抑制状態では生ワクチン(麻疹・風疹・水痘・BCG・ムンプス)は原則禁忌。
- 移植後に使うタクロリムス・シクロスポリンは血中濃度の測定が必要。グレープフルーツジュースで濃度が上がる。
| 分類 | 代表薬 | 作用 |
|---|---|---|
| 免疫抑制薬 | 副腎皮質ステロイド、シクロスポリン、タクロリムス、メトトレキサート | 拒絶反応・自己免疫反応を抑える |
| 免疫賦活薬 | インターフェロン、G-CSF | ウイルスの排除、免疫細胞の活性化 |
| 受動免疫製剤 | ヒト免疫グロブリン、抗毒素血清 | 抗体を直接補う |
| 抗アレルギー薬 | 抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬 | 化学伝達物質を遮断する |
参考: 日本リウマチ学会「ステロイドの適正使用」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について